岡山市に住む79歳の全盲の男性が、全国で講演活動を続けています。その数は33年間で3000回以上。講演を聞いた人の中には、生き方が変わったという人もいます。多くの人の心を動かす男性の言葉とは・・・。

(竹内昌彦さん)
「いじめが原因で子供が首を吊って、あるいは電車に飛び込んで死んだなんてニュース聞こえてくるじゃないですか。なんで死ぬヤツがあるかと言いたいんですよ」

岡山盲学校の元教頭、竹内昌彦さん79歳。病気で失明したことや、幼少期のいじめ体験などを通して命の大切さを訴えてきました。竹内さんの講演会は、33年間で3000回を超え、全国各地の延べ31万人に言葉を届けました。

浅口市の中学校で国語を教える堀内直美さんも、竹内さんの講演を聞いた1人です。

(堀内直美さん)
「私自身も竹内先生の言葉に助けてもらった、つらいときしんどい時に竹内先生の一言一言思い出して何度も何度も救っていただいている」

数年前、仕事で悩みあきらめそうになった時、堀内さんの心に響いた言葉がありました。

(竹内昌彦さん)
「トンネルに入ったら必ず抜ける、悪いことは続かん、そのつらい時を粘ってしのげ、どうしてもつらかったらさっさと逃げ出せ」
「生きとればええんじゃ」

その言葉に後押しされ、堀内さんは一度、仕事を休むことにしました。その間、被災地でのボランティアや、竹内さんが取り組む、アジアの目の不自由な子供の支援活動にも協力しました。

(講演会で発表する堀内直美さん)
「竹内先生の周りには今まで講演を聞いて心を動かされて何かしたいと思った人がたくさんいます」

今では、竹内さんの活動をサポートする一番の親衛隊です。再び教職に戻った堀内さんは、自分を変えた竹内さんの言葉を教え子たちにも伝えることにしました。

逆境に立ち向かう竹内さんの生き方は、子供たちの心にも響くのではと考えています。

(堀内直美さん)
「こんな生き方をした人もいることを皆さんの心にとめておいて、自分が迷う時、どう進もうか、どうしていこうかと悩んだ時に何かのヒントになるかも」