ゴールデンウイークが過ぎたら沖縄地方は梅雨入り間近。平年は5月10日ですが、ことしは11日午前9時時点で沖縄気象台の発表はありません。そもそも梅雨入りって何を根拠に判断するのでしょうか。気象予報士の崎濱綾子さんのコラムでは、目安を解説しています。

 さて今週は、県民や観光客に親しまれてきた老舗のかまぼこ店が5月末で閉まるというさみしいニュースがありました。

創業は1926年 ちきあぎに丸天、チーズ…

 那覇市の牧志公設市場隣にある「ジランバ屋」です。創業者の玉城ジラさん(故人)が1926年ごろに立ち上げて以来、家族や親族で切り盛りしてきました。「ジランバ」は「ジラおばさん」から取った店名なんですね。従業員の高齢化などを理由に5月末で、1世紀近くの歴史に幕を下ろします。

 閉店のニュースを知って、9日の出勤前に立ち寄ってみました。店舗近くの工場で作っているというだけあって出来たてはホッカホカ。店の人に伺うと、一番人気はちきあぎだそうです。そのままかぶりつくもよし、刻んで野菜炒めに入れるのもよし。 

 一口サイズのダンゴは5種類あり、初めて食べたピリッと辛い島唐辛子、ニンニクはパンチが効いていて癖になる味でした。他の3種の野菜、イカ、アーサもおいしかった。

 「もうけより困っている人を助けることを優先する人だった」という創業者のジラさん。「笑顔になって、安くて、おいしい」を理念にしていたそうです。そんな思いも県民に支持されたのでしょう。

 記事を書いた玉城日向子記者は、子どもの頃からジランバ屋のかまぼこを家族でよく食べていたそうです。老舗の味が楽しめるのも今月末まで。一度訪れてみてはいかがでしょうか。

右側通行の名残 みどり立体駐車場

 こちらも歴史を感じたニュースでした。1975年5月24日にオープンした那覇市沖映通りの「みどり立体駐車場」が老朽化による建て替えで、6日で49年の歴史に幕を閉じました。2025年春に平面・立体の新たな駐車場に生まれ変わるそうです。

 車の通行が右側だった米軍統治下の名残で、出入り口が左右逆になっているんですね。何度か利用しているのに、末吉未空記者の記事を読むまで気付きませんでした。確かに改めて写真や動画を見ると、他の駐車場と通行方法が違っています。

 4階建てで収容台数は約400台。向かいにあった大型スーパーのダイエー那覇店(ダイナハ)で買い物をするとき、利用した人も多いのではないでしょうか。最終日の6日は駐車場の建物を撮影する人も結構いたそうです。

SNS型投資詐欺の手口とは

 次に取り上げるのは、交流サイト(SNS)を悪用した「SNS型投資詐欺」の深掘り記事です。投資家や著名人をかたり、投資と見せかけて金をだまし取るSNS型投資詐欺が、全国で多発しています。

 警察担当の玉那覇長輝、知念祥吾の両記者が、1千万円の被害に遭った沖縄本島中部の男性(75)を取材して、だましの手口を詳報しました。


 SNSを投じて勧誘する投資詐欺、恋愛感情を抱かせて金銭をだまし取る「ロマンス詐欺」。この二つの2023年の被害額は、特殊詐欺を上回りました。記事では、詐欺の特徴を紹介しています。

 特殊詐欺とSNS型投資詐欺 警察庁のホームページによると、特殊詐欺は被害者に電話をかけるなどして対面しないで信頼させ、指定の口座への振り込みやその他の方法で、不特定多数から現金等をだまし取る犯罪を指す。オレオレ詐欺や架空料金請求詐欺などが代表的。沖縄県警捜査2課によると、特殊詐欺は「人間関係を築かず、被害者の心理的動揺につけこんで短期的に行われるのが特徴」という。一方、SNS型投資詐欺やロマンス詐欺は「SNSで関係性を構築した上で、投資話などを持ち込んでだますのが特徴」で、特殊詐欺の「不特定多数」の条件には当てはまらない。

 特殊詐欺のように「不特定多数」ではなく、SNS型投資詐欺は関係性を築くことが特徴です。親しくなってから投資話を持ち出されると、警戒心が薄れて信じてしまうかも。この被害男性のケースでも、一通のメッセージをきっかけに何度も連絡を取って、信用させていく手口だったことが分かります。

 オレオレ詐欺、還付金詐欺、架空料金請求詐欺、そしてSNS…。次々と新しいタイプの詐欺が発生し、どんどん巧妙になっています。「私は大丈夫」と過信せず、詐欺の手口を知っておくことが対策の一歩かもしれません。

特殊詐欺の被害者心理を専門家に聞いた連載の〈上〉はこちら
特殊詐欺の防ぎ方を専門家に聞いた連載〈下〉はこちら

 さて、今週はこの辺で。梅雨入り前のスイカは甘いそうなので、今のうちにたくさん食べておこうと思います。デジ編チョイスは大門雅子が担当しました。