株式会社ニューステクノロジーと株式会社コソドが運営している、オフィス喫煙所サイネージメディア「THE SMOKING ROOM VISION BREAK」(以下、BREAK)が、その媒体特性を活かしてさらに広告効果を高めるべく、喫煙所空間を活かした4つの体験型メニューを新設したという。

喫煙所限定のサイネージメディアの広告効果はどうなのか。また、“喫煙所空間を活かした体験型メニュー”とはどのようなものなのだろうか。担当者に話を聞いてみた。

■体験を軸とする4つの新メニューが登場
「BREAK」は、都内を中心とする提携オフィスビルの喫煙所にデジタルサイネージを設置し、来訪するビジネスパーソンにマッチする動画コンテンツを音声付きで放映している。設置面数はメディアが立ち上がった2021年当初の50面に対して、2024年1月時点で277施設・368面と増加。設置施設は都内の大型オフィスビルを含む277施設におよび、1万5000社以上の企業へのリーチが可能となっている。

そのような状況下で、媒体特性を活かしさらに広告効果を高めるべく、通常の動画放映に加え、喫煙所空間をフルに活用した4つの体験型メニューを新設したという。その4つのメニューとは以下のとおりだ。

1.商品のタッチアンドトライ

喫煙所店舗に商品のテスターと配布用のカードを設置。商品の認知から興味・関心、商品体験、さらには購入までの行動ステップを一度に完結できる特別なプロモーション施策となっている。

2.商品のサンプリング
喫煙所店舗に個包装の商品サンプルを設置し、都内で働くビジネスパーソンに配布。配布されたサンプルはオフィスや自宅に持ち帰ることが想定されるため、社内を含む周囲への口コミやSNSの拡散も期待できる。

3.接客スタッフによるセールスプロモーション
喫煙所店舗に接客スタッフを派遣し、アンケート調査や商品体験、販売などさまざまなインストアプロモーションを実施。スタッフが喫煙所利用者に直接声をかけて接客を行うため、ユーザーの記憶に残るプロモーションが可能となる。実施後には接客数・成功数などをレポーティングするため、ユーザーの反応をダイレクトに収集することができる。

4.ポスター掲出
喫煙所店舗にポスターを設置。ユーザーの目線を集中させることで広告認知効果を高める最もシンプルな施策となる。店舗を指定して設置することができるため、エリアを限定した展開も可能だ。

身嗜みをスマートに整えるビジネスツールブランドPROUDMEN.(プラウドメン)の動画放映・商品のタッチアンドトライを実施した、ラフラ・ジャパン株式会社の岡田さんは「商品ターゲットである、ビジネスパーソンへの認知拡大ができる点、“喫煙中”というまさにニオイケアの意識が高まる瞬間に『広告+商品設置』でアプローチできる点が魅力的と感じております」とコメント。実際に施策を行った企業からも、満足を得られているようだ。

■「どのような商品と好相性?」BREAKの担当者に聞いた
新たに加わった体験型メニューについて、どのような商品や企業が活用しているのだろうか。また、その反響などについて、BREAKの担当者に話を聞いた。

――動画放映に加えて、4つの体験型メニューを用意されたとのことですが、具体的に現在はどのような商品の体験を提供されていますか?

【担当者】THE TOBACCO(店舗型喫煙所)でスーツリフレッシャーのタッチ&トライ施策の実施や、サブスクサービスの新規登録向けクーポンを掲出したPOPの設置、接客スタッフによる利用者様へのアンケートを実施し、回答内容(リード情報)を広告主に提供しています。また、アンケートにご回答いただいた方々へのノベルティ配布を実施しています。

――接客スタッフによるセールスプロモーションの反響はいかがですか?

【担当者】ユーザーの方々へ直接お声がけをすることで、「喫煙所内で広告を見て気になっていた」「アンケート告知のPOPやポスターを見て回答したいと思っていた」等のデジタル広告配信のみでは拾いきれないポジティブなご意見をいただいています。また、広告主様からはユーザーの生の声をヒアリングとともにリード情報が提供される点もご評価いただいているほか、広告を見て実際に商品を購入した等、販促にも影響があったとの声も頂戴しています。

――広告を訴求する対象は主に喫煙者になるかと思いますが、どのような商品の広告が相性がよいと考えられていますか?

【担当者】喫煙時に気になる匂いケア商品(オーラルケア、リフレッシャー等)や、スマホゲーム、飲料(エナジードリンク、コーヒー、アルコール等)は相性がよいと考えています。また、オフィスビルという特性を活かし、ビジネスパーソン向け商材、特に経理・総務・労務やエンジニア等、オフィスの滞在時間が長い職種の方向けの訴求に効果的であると考えています。過去には、経費管理ツールやセキュリティソフト、福利厚生サービス等の放映実績もございます。

――今後、広告主として拡大していきたいターゲット企業・商品などはありますか?

【担当者】先の回答に挙げた業種やサービスはもちろん、音声付きの動画コンテンツを流せるかつ、ひとりあたりのフリークエンシーが高いということもあり、直近はエンタメ系企業様の出稿も増加傾向にあります。男性30〜50代がユーザーの9割を占めているため、男性30代以上をメインターゲットにした商品を扱う企業様にも積極的にご案内したいと考えています。

――「BREAK」は、東京以外での展開も考えていますか?

【担当者】現在、東京23区を中心に大阪、名古屋、福岡、仙台等の5大都市への展開も開始しておりますが、今後も基本的には東京23区内のオフィスビルのシェア率を高めていく予定です。

「喫煙者」という限定的なターゲット層は、見方を変えれば訴求しやすい層であるとも言える。ニッチではあるが、販路拡大の可能性がある層に向けて、「BREAK」はまだまだ多くの企業からの広告出稿ニーズがありそうだ。

取材=大庭 かおり、矢野 凪紗・文=矢野 凪紗