Kentaro Sugiyama

[東京 30日 ロイター] - 政府が30日発表した3月の雇用関連指標は、完全失業率が季節調整値で2.6%と、前月から横ばいだった。人手不足の中、今まで働いておらず仕事も探していない人たちが就業の方向に動いている姿に変わりはないという。有効求人倍率は1.28倍で前月から0.02ポイント上昇した。

ロイターの事前予測調査で完全失業率は2.5%、有効求人倍率は1.26倍と見込まれていた。

総務省によると、3月の就業者数は季節調整値で6760万人と、前月に比べて23万人減少。完全失業者数は、前月と同数の182万人だった。総務省の担当者は「仕事を探している人たちが4月に就職できるか今後注視すべきポイントだ」と述べた。

23年度平均の完全失業率は2.6%と、前年度と同率だった。

女性の就業者数は3059万人で、比較可能な1953年以降で過去最高だった。

<23年度の有効求人倍率は1.29倍>

有効求人倍率は、仕事を探している求職者1人当たり企業から何件の求人があるかを示す。求人者数、求職者数ともに減少する中、求職者数の減少がより大きかったことから倍率が上昇した。上昇に転じるのは、2022年11月以来、1年4カ月ぶり。

厚生労働省によると、3月の有効求人数(季節調整値)は前月に比べて0.9%減となった。製造業や建設業などで、物価高によるコスト増を背景に企業が求人を手控える動きが散見されたという。

有効求職者数(同)は1.9%減。今後の賃上げに対する期待もあり一部の労働者が転職に慎重になる動きがみられたほか、職場環境改善や福利厚生充実など企業の人材確保対策が奏功しているとの指摘があった。

23年度平均の有効求人倍率は1.29倍で、前年度に比べて0.02ポイント低下した。