美容や健康によいといわれるビタミンC。
ビタミンCは抗酸化作用をはじめさまざまな働きがあり、紫外線が強くなるこれからの時期こそ積極的にとりたい栄養素のひとつです。
ビタミンCをとって肌や健康に生かしましょう。

ビタミンCは野菜や果物、緑茶などに含まれる

ビタミンCは水に溶ける水溶性ビタミンで、さまざまな食品に含まれています。
ヒトの体内ではビタミンCを合成できないため、食品からビタミンCをとる必要があります。

特に豊富に含まれているのは、野菜では赤ピーマンや青ピーマン、ブロッコリー、かぼちゃ、カリフラワー、じゃがいも、さつまいもなど。
果物ではキウイフルーツ、イチゴ、レモン、ネーブルオレンジ、みかんなど。
意外な食品としては緑茶にもビタミンCが含まれています。

野菜や果物はビタミンやミネラル、食物繊維などを含む栄養の宝庫。
また、緑茶にはカフェインが含まれ、眠気を覚ます覚醒作用があります。
いろいろな食品からビタミンCをとることで栄養バランスがよくなります。
なお、カフェインによる睡眠の妨げが気になる人は、就寝の5〜6時間前からカフェインをとらないようにしましょう。

※データは文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」を参照

さまざまな働きをするビタミンC

ビタミンCには私たちの健康に欠かせない多くの働きがあります。

活性酸素の働きを抑える

ビタミンCの働きで近年注目されているのが、体内で活性酸素の働きを抑える抗酸化作用です。
活性酸素は体内の免疫機能など重要な役割を担う一方で、過剰に産生されると、老化やがん、生活習慣病などを引き起こします。
活性酸素が過剰に産生される要因には、紫外線やタバコ、ストレスなどがあります。

メラニンの生成を抑制する

肌は紫外線を浴びるなどしてメラニンが過剰につくられると、色素沈着を起こしてシミになります。
ビタミンCは、シミのもとであるメラニンの生成を抑制する働きがあるといわれています。
50代以降の女性に多い肌悩みであるシミの予防にも、ビタミンCは役立ちます。

鉄の吸収を助ける

鉄には、肉や魚などに多く含まれるヘム鉄と、野菜や卵などに多く含まれる非ヘム鉄があります。
ビタミンCは、鉄の吸収を助ける働きがあります。
女性に多い貧血を予防するためにも、意識して鉄やビタミンCをとりたいですね。

コラーゲンの合成を促進する

コラーゲンはタンパク質の一種で、ヒトの体内で皮膚や血管、軟骨などの組織を構成しています。
ビタミンCはコラーゲンの生成に欠かせない栄養素です。
ビタミンCが不足するとコラーゲンの生成ができず、壊血病を引き起こします。

おすすめのとり方

ビタミンCは水溶性のため、一度にたくさんとっても尿から排出され、消失しやすい栄養素です。
したがって、ビタミンCはまとめてとるよりもこまめにとる方が効率的といえます。
忙しい朝はそのまま食べられる果物をとる、レモンはドレッシングやドリンクに活用するなど、こまめにビタミンCを摂取できる工夫をしましょう。

通常の食事において、ビタミンCの過剰摂取による健康障害の報告は見当たりませんが、サプリメントでビタミンCを摂取する場合は過剰摂取に注意しましょう。
サプリメントでビタミンCを過剰摂取した場合、吐き気や下痢、腹痛などが生じる場合があります。

(まとめ)
ビタミンCはさまざまな食べ物に含まれ、体内では抗酸化作用の他、鉄の吸収のサポートやコラーゲンの合成など意外な働きもしています。
紫外線は一年を通して肌に降り注いでいますが、紫外線量がピークになるのは春から夏にかけてです。この時期は特に意識してビタミンCをとりましょう。


監修
東京ブランシェクリニック
医師・鈴木三奈

美容皮膚科歴12年、皮膚科保険診療もおこなった経験もあり、幅広い知識と経験を有する。特に肌の悩みには丁寧に寄り添うカウンセリングと的確な治療には定評がある。

構成・文/大人のおしゃれ手帖編集部 画像協力/PIXTA
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