「結婚と地元」と題する27歳の女性からの投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。トピ主さんには29歳のパートナーがいますが、「将来どこで暮らすのがいいのか」で迷っているそうです。2人とも関西より西の地域の出身で、社会人になるタイミングで首都圏で暮らし始めた、とのこと。トピ主さんが「お互いの地元の近くで暮らすのがいい」と考えているのに対して、彼は「現職のキャリアアップのため、定年までは関東で暮らしたい」という意見。「どのような選択肢を取るのが良いのでしょうか」と尋ねています。

現在のところ、2人はまったく意見が合わない状態、ということですね。地元にいる両親や友人と仲が良いので、トピ主さんは「地元の近くに戻りたい気持ちが強い」とのこと。人の多い関東で暮らすのは疲れてきた、という実感もつづっています。

同じようなカップルの事例を紹介してほしいとのことですが、実際いろいろなパターンがあります。女性が地元に帰り、お互いに別の相手と結婚したカップルもいれば、地元に帰った女性を男性が後から追いかけていって結婚した事例や、逆に女性が男性に合わせて都会に残った事例も知っています。

仕事への情熱やパートナーへの愛情の度合い、地元への思いの強さ、仕事や家族に関する不測の出来事など、さまざまな要素が絡んでくるので、どこまでいってもケース・バイ・ケースで、他のカップルの事例はあまり参考にならないようにも思います。

ただ、はっきりしているのは、お互いに描いている人生のイメージが違う場合、基本的には「別々の人生を歩もうと決める」か「どちらかがもう片方の意向に合わせる」の二択しかありません。「別れたくはないけど、自分の希望は絶対に譲りたくない」とお互いに思い続けている限り、答えの出ない硬直状態は続くでしょう。

散々話し合ってもまとまらない、ということならば、どちらかが決めて動き出すしかないように思います。トピ主さんが関東に居続ける気がないならば、「私は地元に帰る、あなたがどうするかはあなたで決めて」と伝え、実際にUターンに向けて行動を始める、ということです。ある種の賭けにはなりますが、自分がどうしたいかを決めて、相手がどうするかは相手に委ねるのは、一つの方法かと思います。

人はシミュレーションでは、なかなか自分の本音に気づけません。「本当に相手を失うかもしれない」という状況になってはじめて、お互いに「相手と別れたら自分はどう感じるのか」がリアルに見えてくると思います。

Uターンに向けて動き出した結果、トピ主さんのほうが「やっぱり彼と離れては生きていけない」と気づいて関東で生きていこうと思うかもしれませんし、逆に彼の方がそう気づいて、関東を離れる選択肢をすることもありえるでしょう。あるいは、双方とも相手を追いかけるほどの情熱はなく、「寂しいけど仕方ない」と別れを選択することもあるかもしれません。

一度離れてみて、仮に「やっぱりまた一緒にいよう」という結果になったとしても、離れていた期間は無駄にはならないと思います。お互いに自分にとって本当に大事なものに気付くために必要な過程だったわけですし、相手がかけがえのない存在であると確信を持てたことで「二度と離れない」という絆も強くなることでしょう。

前段で二つの選択肢を書きましたが、実際には「別居婚(通い婚)をする」という選択肢もないわけではありません。しかし、これは費用も体力も必要で、長期的に続けるためにはかなりの困難が伴います。