ここ最近、GW前ならではの心地よい暖かさに1年の1/3が終わっているんだ、と驚愕した先日。コートは片付けていないし、ニットだってまだ棚に積みあがったまま。衣替えしなきゃと重い腰を上げる前に、まずはやる気スイッチをオンにしなきゃということを口実に香水を新調しました。それが、800年を超える歴史をもつ、サンタ・マリア・ノヴェッラのオードパルファム。

ジャルディーニ メディチェイ-メディチ家の庭園-

オードパルファム ジェルソミーノ 50mL ¥28,600

オーデコロンやポプリですでにご存じの方も多いかと思いますが、その長い歴史のなかでオードパルファムが登場するのは実は今回が初めて。本コレクション「ジャルディーニ メディチェイ-メディチ家の庭園-」でキーになるのは、ブランド創業の地であるフィレンツェで栄華を極めた、メディチ家の庭園にルーツのある植物や花々。ビッザリア、アイリス、マグノリア、ジェルソミーノの4種です。


 


既存のオーデコロンは比較的ウッディだったりグリーンだったり、スモーキーさを感じものが多かった印象だったのですが、今回展開された4種の香りは、まるで大きなお花のブーケに包まれるような、それくらいフレッシュで生命力にあふれた香りです。

まるで本の装丁のようなパッケージにもきゅんとします。既存のフレグランスとは一線を画すリュクス感のある包装は、大切な人へのプレゼントにもオススメ。

フローラルベースの香水はチャーミングな印象になるイメージがあったので普段あまり手に取らないのですが、サンタ・マリア・ノヴェッラならではのビターなエッセンスがプラスされ、成熟した女性像がぴったりな香りに。季節も変わり、コロナ禍を経て浮足立つような街中の軽やかな雰囲気に後押しされ、思わず手にとってしまいました。


 


そんななかでも私が選んだのが、ジャスミンをキーとした「ジェルソミーノ」。ジャスミンの一種であるジェルソミーノ・デル・グランデューカというお花は、当時のトスカーナ大公であるコジモ3世がこの花に惚れ込み、特別な温室を作らせたり、領土全域で栽培を禁止したりと、昔から愛でられていたお花だそう。香りはこのジャスミンをベースに、ベルガモット、タンジェリン、ピンクペッパーがトップノートに香り、ジャスミンサンバック、ゼラニウム、イランイラン、ラストは温室の温かさを表すかのようなシダーウッドやムスクの香りが、神秘的なムードを漂わせます。


 


普段はあまり選ばない香りに、ちょっぴり背筋が伸びるような気分に。そして忘れちゃいけない、衣替えも始めなきゃと重い腰をあげたところです。

otona MUSE S