韓国好きエディター杉山ゆりの【K–TALK♡】Vol.21

かつて繊維業や靴の工場が建ち並んでいた場所は、いつしかアートやカルチャー色の強いショップやカフェが集まるおしゃれエリアへと表情を変え、今やソウル屈指のホットプレイスに! その古い街並みとモダンさがユニークに融合する「聖水(ソンス)」には、MZ世代に人気のストリート系ブランドも、ポップな雑貨店も、大人を魅了する素敵なライフスタイルショップもあり、世代の垣根を超え日々たくさんの人たちで賑わっています。ハイブランドやビューティのポップアップも盛んに行われ、まさに街そのものがワンダーランド♡   ゆえに、端から端までくまなく見てまわろうと思ったら1日あっても足りません! でも旅行とあらば、限られた時間内で効率よくまわりたいもの。


 


ということで、ランチもお茶もしっかり欲張っちゃうのに、5時間で聖水(ソンス)を満喫できる。そんなオススメコースをご紹介。前回のVol.20に続く、後半戦スタートです!


 

この旗艦店でしか味わえない世界観を丸ごと楽しみたい「STAND OIL」

セレクトショップ「EQL」を出てからも怒涛のショッピングが続きます。


 


次に目指すのは、さらにソンス駅方向へ歩いて2分の「STAND OIL」。こちらはデイリーに楽しめるバッグを中心としたスモールレザー(革小物)のお店で、今年の1月には新宿伊勢丹でポップアップも行われたほどその人気は絶大。使いやすいシンプルな形と、上品な可愛らしさ、そしてカラバリの豊富さも魅力で、わたしもこちらのコインケースを毎日首から下げています(今回は色違いのリピを検討)。


 


大きなエントランスを入ってすぐに広がる1Fは、シーズンごとに変わるコンセプト空間が楽しめるフロアになっていて、実際の商品は2Fに……。明るい日射しが差し込む2Fは開放的で心地よく、“もの選び”をより一層楽しく盛り上げてくれます。一部、吊り下げられたバッグがぐるぐると廻るレーンがあり、ディスプレイにもユニークな仕掛けがされ、ここもまたエンターテイメント性にあふれています。1F2F共に小物を扱うだけのお店とは思えない贅沢すぎる空間。商品を売るということだけで考えれば完全に無駄なスペースではあるけれど、あえてこういう“遊びある余白”を作るところが韓国の素晴らしさだなぁ、と思います。「オフラインでショッピングを楽しむ」醍醐味って、まさにこういうことですよね。


 


この4月に訪れたときの1Fは「STAND OIL PHOTOGRAPHY  STUDIO」と称し、実際ソウルの街中にたくさんある「人生ショット(韓国式プリクラ)」のフォトブースが設置されていました。もちろんヘアアクセなどの“盛り道具”も豊富に揃えられていて、これまた盛り上がってしまいました♡

ちなみに去年11月に訪れたときは「レトロなヘアサロン」がテーマで、そのときの様子はこちら。

ご覧の通り、とにかく空間づくりも徹底的にこだわっているので、また次回行くときが楽しみになります。


 


さて、朝食に食べたヨーグルトもようやく消化され、お腹が空いてきたのでランチへと向かいます。


 


【stay⏰15min▶︎to next🚶‍♀️10min】

話題の塩パンやフルーツ大福……、ランチまでの道中は「おやつテイクアウト」というお楽しみも♡

ランチへは「EMPTY」や「ADER  ERROR」があるソンス駅前の大通りを経由して、ひときわ賑わう연무장길(ヨンムジャンギル)をてくてく進みます。すると、一つ目の角にすごい行列が! そう、ここがSNSでもバズりまくりの「ジャヨンドソグムパンパン」=塩パン専門店です。テイクアウトのみで、商品も塩パン4個入り12000krwのみ。カナダ産の小麦粉、フランス産の最高級バター、そして韓国産の天然塩のみを使った、まさに素材を味わうこだわりの塩パンです。一口噛めばサクッとジュワっと、その瞬間、濃厚なバターの風味が広がる、まさに“行列”納得の美味しさです。あまりの行列にひよってしまいますが、店頭右側の券売機で券を買ったあとは、紙袋にセットされたパンを受け取るだけなので、意外にも順番は早く進みます。

そして「ジャヨンドソグムパン」から数軒、同じ並びにあるフルーツ大福店「ハンジョンソン」もおやつテイクアウトに絶好の1軒。ただ、この日はあいにくCLOSE。5月にリニューアルオープンされるとのことなので、餅好きのわたしは次回必ずリベンジすることを誓い、またソンスに戻ってくる理由が増えました。ラッピングも可愛いので要チェックです。


 


ソンス歩きの前半で「LCDC Seoul」に寄らなければ、その30分を“おやつテイクアウト”に割くのもいいと思います。ショッピング以外にもたくさんの楽しみがある、ソンス。ランチへ向かう道中も食のハイライトが続くのです。


 


【stay⏰20min?▶︎to next🚶‍♀️3min】

わたしのランチはここ一択! 行列必至の「ソムンナン聖水(ソンス)カムジャタン」

フルーツ大福の「ハンジョンソン」からワンブロック先の角を右に曲がると、お目当てランチの「ソムンナン聖水(ソンス)カムジャタン」に到着。はい、行列は想定内。時間も13時少し前、とちょうどお昼どきでもあったので、ね(笑)。でも店内が広く、回転も早いので、こちらも塩パン同様、列の進みは早く、15分ほどで入店できました。


 


席に着くなり、ほぼ自動的にカムジャタンのオーダーが入ります。聞かれるのは大・中・小のサイズですが、2人であれば特に異議がない限り小となります(笑)。こちらの食堂は、歌手ソン・シギョンさんのYouTubeチャンネルで知ったのですが、その美味しさについては、過去記事Vol.14の「お一人様ゴハン」でも取り上げてますので、こちらをご参照いただけると幸いです♡    


 


ちなみに、この日の〆はラーメンにしました。もちろんポックンパブ(炒めゴハン)も絶品ですが、これに関してはもうホントに気分でww   あ、4人以上の来店、もしくは2人でも強靭な胃袋をお持ちであれば、ラーメンとゴハン両方いっちゃっても。 この日は待ち時間含め、50分の滞在となりました。


 


 


【stay⏰50min▶︎to next🚶‍♀️10min】

漢南の人気フレグランスショップ「pesade(ペサデュ)」が、3月末ソンスにも待望オープン!

さて、お腹いっぱいになったところで早くもソンス歩きを再開。腹ごなしをするためにも、まだまだ歩きますよ〜。先ほど通ってきた道、ヨンムジャンギルを少し戻り、フルーツ大福「ハンジョンソン」の先を右へと曲がります。


 


そこにふと現れたのは、シックな佇まいを見せる黒いファサードのお店「pesade(ペサデュ)」。お店の方に聞けば、ここソンス店は3月の終わりにオープンしたばかり、とのことでした。2022年の夏、漢南に旗艦店を構えた「pesade」はユニセックスで楽しめる香りとパッケージで瞬く間に人気となり、ファンが急増。ハンドクリーム(25000krw)や馬の形のフレグランスタグ(35000krw)などは、ギフトにも喜ばれるアイテムとして注目を集めています。フレグランスボトルなども、ただ置いておくだで素敵なインテリアに♡  爆買い、要注意です(笑) 


 


わたしはこの日、ちぎってクローゼットに忍ばせられるフレグランスタブレット(各25000krw)とトライアルサイズのパフューム3本セット(35000krw)を購入し、まだまだ後ろ髪を引かれながらもお店をあとに……。


 


【stay⏰10min▶︎to  next🚶‍♀️8min】

お茶タイムは「NUDAKE(ヌデイク)」の映えスイーツを! ついでにフォトジェニックな壁前でも記念撮影♡

「pesade」で一気に集中力を使い、半ば酸欠になりながら、お茶タイムをはさむことに! おしゃれなカフェが無数に点在するソンスで「どこを選ぶか」はホントに悩みますが「今日こそはアレが食べたい!!」と、向かったのは「NUDAKE(ヌデイク)」です。狎鴎亭、HAUS DOSANにある「NUDAKE」に行くも、いつも売り切れで食べられなかったアレを求めて。


 


……アレの正体とは、トマト型のゼリーです。

お店に入った瞬間、可愛いトマトが目に飛び込んできました! ありました〜♡ しかも、ちゃんと2種類まだ残ってます。スイーツのサンプルが大きな丸テーブルに並んでいるのですが、それはもう、まるでアート。美術館のようで圧巻です。心ではゼリーと決めているのに一つ一つ全部チェックして、いちお悩んでみたりもします。でも、やっぱり当たり前にゼリーです。備え付けの用紙にスイーツ番号を記入し、奥のレジへ。アア(※アイスアメリカーノのことを韓国の方は略します)と一緒にオーダーしました。


 


トマト型のゼリーは無色透明っぽいものと、真っ赤なものの2種類あるのですが、わたしが頼んだのは赤いほうでオレンジ、レモン、ザクロ味のもの。ちなみに無色透明のほうは、トマトの果肉とイチゴ、そしてパクチーをアクセントに加えたものです(←こっちもだいぶ気になります)。念願のゼリー、それはもう、ぷるぷると可愛くて、可愛くて、動画まで撮りました。食感もわたし好みの弾力あるほどよい固さで、味も爽やかな甘さで、でもしっかり濃くて、2個いっちゃいそうになりました。大人なのでそっと諦めましたが。これからソウルも暑さが増す時季。このサッパリスイーツ、ぜひ、みなさまにも試していただきたいなぁ。


 


すっかり元気を取り戻したところで、ソンス歩き、最後のお店へ……!


 


【stay⏰30min▶︎to next🚶‍♀️10min】


 

女子高生じゃなくても大興奮!? 「more jude(モアジュード)」で可愛いチャームを爆買い

「NUDAKE」から歩くこと12分ぐらい? ソンスの喧騒からだいぶ離れ、行き交う人もまばらに。そんな場所にひっそりあるのが、本日最後のお目当て「more jude(モアジュード)」。小さなビルの階段を2Fへ上がると、なんとも可愛い小さな世界が広がります。


 


小学生のころ、サンリオグッズなどを扱うファンシーショップ(昭和にはこのテのお店がいっぱいあった)が大好きだったわたし。行くたびにワクワクと心を躍らせていたあの感覚が、突如ふわ〜っとよみがえってきました。店内の回転ラックをぐるぐる回しながら吊るされたチャームを無我夢中で漁り(⁉)、並べられたマスコットに目を輝かせ、もう頭の中が沸騰(さっきお茶して整えたばかりなのに)。そして、お店の名前が入ったキャップやスエット、そしてトートバッグもPOPな色づかいで人気のアイテム。さっき「pesade」では何とか欲望を抑えることができたのに、ここではもうリミッターが外れたかのように結局爆買いしちゃいました。パッケージを破るのももったいなくて、東京の自宅に帰ってきてからも買ったもの全部並べて、しばらく眺めてました。ここではホントに我を忘れましたね(笑)


 


そんなこんなで、5時間のソンス歩きは完全燃焼して終わりました。


 


【stay⏰15min】

ソンスを離れ、あとから、あとから「fwee」も「MONOHA」も「MUNCHIES AND GOODIES」も行くの忘れた〜、とか思い出しましたが、それでも大充実の5時間。実は途中、ところどころで行われていた「CHANEL」のフレグランスポップアップや、チャパゲティのポップアップ、真露のポップアップなどもチラっとのぞくこともできました。


 


 

いつ行っても新たな発見がある、ソンス。今回もすごく楽しかったです。前半・後半と2回に分けてお届けしました「ソンス歩き」。スケジュールを詰め込みたい方、よろしければコースの参考にしてみてください。

editor/writer YURI SUGIYAMA