南国フルーツの代表格ともいえる「パイナップル」。そのまま食べてもおいしい上に、サラダや煮物、ピザといった料理にも使える便利な果物です。しかし、食べたときに「なんだか舌がピリピリする…」と刺激を感じた経験はありませんか。中には「このまま食べ続けても大丈夫なのかな…?」「どうしてピリピリするの?」と疑問に感じたことがある人もいるかもしれません。

 パイナップルを食べると、どうして「舌がピリピリ」することがあるのでしょうか。管理栄養士の桜井このさんに聞いてみました。

「タンパク質分解酵素」が関係

Q.パイナップルには、どんな栄養が含まれているのですか。

桜井さん「豊富に含まれる栄養成分として、まずビタミンが挙げられます。特に、疲労回復効果のあるビタミンB1、抗酸化作用やアンチエイジング、コラーゲン生成、鉄の吸収を助けるビタミンCが代表的です。また、便秘解消や生活習慣病の改善が期待できる食物繊維は、リンゴのおよそ1.5倍も含まれているんですよ。

その他、分解されてエネルギーのもととなる糖質や、むくみ予防に効果のあるカリウムなども含まれます」

Q.パイナップルを食べると舌がピリピリすることがありますが、これはなぜですか。

桜井さん「ピリピリする原因は、『ブロメライン』というタンパク質分解酵素の影響です。舌を保護している粘膜のタンパク質がブロメラインによって分解されることで、ピリピリとした刺激を感じてしまうのです。ただ、この刺激は一時的なもので、しばらくすれば治まるのでご安心ください。

なお、ブロメライン自体にも、消化をよくしたり、腸内の炎症を鎮めたりするといった効果があります」

Q.避けた方がよいパイナップルの食べ方はありますか。

桜井さん「これは他の食べ物にもいえますが、どんなものでも『食べ過ぎ』はよくないということです。パイナップルの場合、食べ過ぎてしまうと糖質過多になり、カロリーオーバーとなってしまいます。糖分には体を冷やす効果があるため、冷えや腹痛などにつながる恐れもあります」

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 パイナップルを含め、南国でよく採れるフルーツには、タンパク質の分解酵素が含まれているものが多いのだそうです。最初はびっくりしてしまうかもしれませんが、舌に負担をかけているわけではないので、安心してよさそうです。ピリピリ感が苦手な人は、缶詰のパイナップルであれば刺激を感じずに食べられますよ。