職場で仕事を教わるときや教えるとき、言われがち・言いがちなのが「前にも言ったよね」という言葉。SNS上などでたびたび話題になるこの言葉の是非ですが、新入社員を迎える春のシーズンは特に、「言われる側」と「言う側」それぞれの意見がSNS上で散見されます。中には、この言葉を「禁句にしてほしい」という声もあるようで……。「前にも言ったよね」について「言われる側」と「言う側」、双方の意見を見ていきましょう。

「マジでヘコむ」「メモすら取らない人には言いたくなるよね」

 まずは「言われる側」の意見から。特に、まだ右も左も分からない新社会人の頃に「前にも言ったよね」と言われた経験がある人からは「頑張って質問したのに、『前にも言ったよね』って言われると本当に心が折れる」「新人の頃なんて精神的にいっぱいいっぱいだし、こんな言い方されたらマジでヘコむ」など、つらい思いをしたという声が上がっていました。

 多くの人が懸念しているのが、「前にも言ったよね」と繰り返し言われることで、“分かるまで何度でも聞くことができなくなってしまう”という問題。「確かに、前にも言われたことを聞き返すのは申し訳ないんだけど、これを言われ続けると次に聞くのが怖くなってしまう」という声も多く、仕事においてデメリットが生じる恐れもありそうです。

 さらには、「実際、言う側がうまく伝えられていない可能性もある。ちゃんと伝えられていたか、省みるべき」といった、「言う側」への厳しい指摘もありました。

 とはいえ、やはり「言う側」にも言い分はあるようで、「メモすら取らない人には言いたくなるよね。教わり方が悪いのに『言われたくない』という主張は通用しない」「何回同じことを言っても覚えてくれないときは、さすがに言うしかない」といったリアルな声も。「教える」ことに苦労する人は多いようで、「何度も言わせることで、相手の時間を奪っているわけだから、なるべく同じことを言われないように努力はするべき」という意見もありました。

 言う側/言われる側の意見や主張が対立する中で、「絶対に覚えてほしいことは、教える段階でしっかり念押しする」「全てを一度では覚えることはできないし、聞き返されてイラっとするくらいなら、教えるときに『これは重要だ』とちゃんと伝える」など、本来の“仕事としての目的”を意識し、教え方を工夫している人もいるようです。

 それぞれに思うところがあるのは仕方のないことですが、“何のために教えているのか、教わっているのか”といった客観的立場で、物事を考えることも必要なのかもしれません。ビジネスシーンでの「前にも言ったよね」、あなたはどう思いますか?