糖尿病と深い関わりのある「食事」。血糖値の上昇を抑えるため、毎日の食事に気を使っているという人も多いと思いますが、盲点となりやすいのが「野菜」です。野菜というと「ヘルシー」「体にいい」イメージがありますが、中には糖質が多い野菜もあるようです。

 糖質を意識する上で注意が必要な「野菜」には、どのような種類があるのでしょうか。eatLIFEクリニック(横浜市旭区)院長で、自身も1型糖尿病歴30年である、内科医・糖尿病専門医の市原由美江さんに聞きました。

「ゆでる」「蒸す」がおすすめ

Q.血糖値を上げてしまう恐れのある、「糖質の多い野菜」があるのは事実ですか。

市原さん「事実です。サツマイモ、ジャガイモ、サトイモ、ニンジン、ゴボウ、タマネギ、レンコン、トウモロコシなどが該当します。

ダイコン以外の根菜やイモ類は、糖質が多いです。また、『甘い』と感じる野菜に糖質が多いのも事実といえます」

Q.日常的に血糖値を気にしている人が、「糖質が多い野菜」を食べたいと思ったときにできる工夫や注意点とは。

市原さん「糖質が多い野菜を多く食べると、血糖値が普段から高めの人の場合、血糖値をより上げてしまうので、量は控えめにしましょう。ゆでたり、蒸したりすると血糖値の上昇が緩やかになるので、調理法も工夫するとよいです。

これらの野菜を食べるときの工夫として、『イモ類を食べるときは主食の米の量を減らし、1食分の糖質量を一定にする』『葉物野菜や、タンパク質を含む肉・魚を先に食べ、その後にゆっくりとよくかんで食べる』などを意識してみてください」