今年はUEFA欧州選手権の開催年。6月から7月にかけてドイツを舞台にEURO2024が行われる。

ここでは、今から16年前の2008年にスイスとオーストリアで共同開催されたEURO2008から、脳裏に強く焼き付く7つのチームとそのユニフォームをご紹介したい。

クロアチア





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選手:ルカ・モドリッチ

旧ユーゴスラヴィアからの独立後、クロアチアはこれまでに6度の欧州選手権出場を果たしている。そして最も素晴らしい成績を残したのは、初出場だったEURO1996とこのEURO2008でのベスト8だ。

EURO2008はグループBに所属し、開催国オーストリア、ドイツ、ポーランドと対戦。このグループを3戦全勝で首位通過し準々決勝でトルコと対戦したが、PK戦の末に敗れている。

青を基調に赤白の市松模様が鮮やかなアウェイユニフォームは、この大会の全試合で着用した。

トルコ





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選手:ハミト・アルトゥントップ

EURO2000以来2大会ぶり3度目の出場となったトルコは、このEURO2008でベスト4という偉業を成し遂げている。

前評判の低さを覆す躍進で、ポルトガル、チェコ、スイスと同組のグループAを2位で突破。準決勝では、出場停止や負傷などで多くの主力を欠くもドイツと撃ち合いを演じたが、惜しくも2-3で敗れている。

左胸に付けるトルコ国旗は「赤地に白の三日月と五角星」で、赤は“勇気”を意味する。その通りに準決勝では勇気ある戦いで見る者の胸を熱くさせ、記憶に残るチームとなった。

ポルトガル





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選手:クリスティアーノ・ロナウド

前回大会準優勝のポルトガルはフレッシュな顔ぶれで参戦。クリスティアーノ・ロナウドはルイス・フィーゴから7番を継承し、EURO2008は「7 RONALDO」のネームナンバーを付けた初の国際大会となった。

ポルトガルはグループAに所属し、開催国スイス、チェコ、トルコと対戦。このグループを首位で通過し準々決勝でドイツと対戦したが、スコア2-3で敗れている。

白に国旗色の赤と緑が美しく映えるアウェイユニフォームはグループステージの2試合で着用。そのうちの1試合であるチェコ戦はロナウドもゴールを決めて3-1で勝利し、ノックアウトステージ行きを決めている。

オランダ





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選手:ルート・ファン・ニステルローイ

2大会連続でベスト4入りを果たしていたオランダにとって、EURO2008でのベスト8という結果は必ずしも良い成績ではない。それでもこの大会でオランダが比較的印象深いのは、準々決勝までの4試合での得点力によるものだ。

イタリア、フランス、ルーマニアという難敵揃いのグループCを3連勝で首位通過。とりわけイタリアを3-0で、フランスを4-1で粉砕した最初の2試合は圧巻だった。この連続ゴールショーの口火を切ったのは、イタリア戦でのルート・ファン・ニステルローイの先制点だ。

オランダは準々決勝で延長戦の末にロシアに敗れたが、ここまでの4試合でゴール数を2ケタに乗せたのはオランダだけ。五角形エンブレムが異色のユニフォームには、オレンジ軍団の破壊力の記憶が重なる。

ロシア





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選手:アンドレイ・アルシャヴィン

EURO2008という大会を振り返れば、必ずその名が上がるロシア。この大会での躍進ぶりは衝撃的なものだった。その中心にいたのは、紛れもなくアンドレイ・アルシャヴィンである。

決して下馬評は高くなかったロシアだが、スペイン、スウェーデン、そして前回王者ギリシャという厳しい顔ぶれのグループDを2位で突破。準々決勝では延長戦の末にオランダを3-1で下した。準決勝でスペインに敗れベスト4に終わったが、ソビエト連邦崩壊後の「新生ロシア」ではここまでで最高の成績を残している。

胸の国旗ボーダーが印象的な赤いアウェイユニフォームは、ロシアがGS突破を決めたスウェーデン戦や準決勝スペイン戦など大会3試合で着用。EURO2008での躍進を象徴する一着となった。

ドイツ





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選手:ルーカス・ポドルスキ

これまで欧州選手権に3度優勝しているドイツ代表だが、EURO1996を最後にタイトルから遠ざかっている。そのドイツが4度目の優勝に最も近づいた大会がEURO2008だった。

開催国オーストリア、クロアチア、ポーランドと対戦したグループBを2位で通過し、ノックアウトステージではポルトガルとトルコをどちらも1点差で退けて決勝へ。しかしスペインとの決勝戦は逆に1点に泣かされる格好となり、0-1で敗れて準優勝に終わる。

この大会でのホームユニフォームは胸の国旗3色ボーダーが特徴的。グループステージ3得点のルーカス・ポドルスキは、UEFAによる大会優秀選手に選ばれている。

スペイン





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選手:フェルナンド・トーレス

出場すればどの大会でも優勝候補の一つにその名が上がるも、長い間タイトルと無縁だったスペイン。だが、このEURO2008でついに44年間の無冠に終止符を打つことに成功する。

苦しみながらも予選を勝ち上がったスペインは本大会でグループBに所属し、ロシア、スウェーデン、前回王者ギリシャと対戦。このグループを無傷の3連勝で首位通過し、ノックアウトステージではイタリアとロシアを退けてドイツとの決勝へ駒を進める。



そして迎えた決勝戦は、33分にフェルナンド・トーレスの挙げたゴールが決勝点となり、試合は1-0でスペインが勝利。1964年の欧州選手権以来、実に44年ぶりのタイトル獲得を成し遂げた。

その後スペインは2010年の南アフリカW杯、そしてEURO2012と立て続けにビッグタイトルを獲得。この赤いユニフォームは、2008年から2012年までの“少し短い黄金時代”を象徴する一着となる。