J2の水戸ホーリーホックは28日、定道大成氏(27)がトップチームのスプリントコーチに就任したことを発表した。

定道氏は、「チームが目指すものを選手の足を速くすることで貢献できればと思います。スプリントで世界をひっくり返します。水戸ホーリーホックに関わる全ての皆様、よろしくお願いいたします」と公式サイトでコメントしている。

現在27歳の定道氏は兵庫県出身で、自身の『note』によれば子供の頃から野球をやっていたという。スポーツの名門である滝川第二高校に進学したが大きな怪我もあり挫折。「昔から走ることが好きだった」こともあり、大阪学院大学に入ってから陸上を始めた。

その後、SNSでスプリングコーチの第一人者である秋本真吾氏の活動を知った。感銘を受けた定道氏は指導の道へ。2022年4月、それまでの関西から関東に拠点を移し、スプリングコーチとしての歩みを始めた。

それからおよそ2年。これまでプロ野球の埼玉西武ライオンズ、Honda陸上競技部、Hondaソフトボール部、東京国際大学駅伝部でキャリアを積み、西武時代には山川穂高(現福岡ソフトバンクホークス)らを指導した。





一方、サッカー界での本格的な指導はこれが初めて。Jリーグのクラブでは上述の秋本真吾氏以来2人目のスプリングコーチ誕生となる。

自身に大きな影響を与えた秋本氏は2022年にいわきFCのスプリングコーチに就任(現在はいわきからの出向でマイナビ仙台レディース所属)し、一年でのJ3優勝とJ2へ昇格に貢献。サッカー界に大きなインパクトを残した。

かつていわきFCに所属した岩渕弘人(現ファジアーノ岡山)は「『この人(秋本氏)のこと信じたら絶対速くなるわ』とすぐ思った。練習でもすごく速くなった感覚がある」とQolyのインタビューでコメントしている。

定道氏は、“師”と呼んで慕う秋本氏に次ぐ存在になれるのか。リリースにあった「スプリントで世界をひっくり返す」という壮大な野望が生まれた経緯を『note』で明かしている。

「今シーズンがスタートする初日のキックオフミーティングで濱崎芳己監督がこう仰いました。『世界をひっくり返そう』  この瞬間、僕の覚悟が決まりました。『スプリントで世界をひっくり返す』」

水戸ホーリーホックは今シーズンがクラブ創設30周年。2000年のJ2参戦以来、昇格も降格も経験したことがないクラブを27歳の青年コーチが高みへと導くことができるだろうか。