JR西日本の山陰支社長はきのうの会見で、木次線の一部区間の今後のあり方について、地元に相談したいという考えを明らかにしました。

JR西日本山陰支社 佐伯祥一支社長
「できる限り早いタイミングで、地元に伺い、特定の前提は置かず、今後の進め方を含めてご相談をさせていただきたい」

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JR木次線のうち、広島県庄原市の備後落合と島根県の出雲横田の区間は、1日の平均乗客数が中国地方では2番目に少なく、利用が低迷しています。山陰支社は、今後、支社長らが4つの沿線自治体を訪問し、関係者らと持続可能、かつ地域の移動実態に応じた最適な交通体系を議論していく方針を明らかにしました。

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木次線は終点でもある庄原市の備後落合駅で、芸備線と接続します。
しかし、備後落合を含む芸備線の区間については、JRと沿線の自治体などが存廃を議論する国の再構築協議会が設けられています。備後落合駅を発着する木次線は1日3往復。きょうの午前9時台の便の利用客は観光客6人でした。

東京から
「聞いてびっくりした。もったいない」
広島・呉市から
「スイッチバックというのは日本では2カ所しかないらしくめずらしいし、なくなれば過疎化も進む」
島根から
「うすうすそうなるかと思ったが…存続してほしい」

RCC

備後落合駅すぐ隣の油木駅では、過疎化が進み通勤、通学など地元の利用客はいないそうです。

西城町油木自治会 高原芳典会長
「個人的には困らないが、地域はもっと急激にさびれると思う」

一方、備後落合駅、午後2時台の便は、外国人観光客など40人が広島への乗り継ぎで利用していました。

RCC

大阪から
「素晴らしい見どころがあるし地元の人も使っていると思うので、できれば残してほしい」

元JRの運転士で7年前から駅でボランティガイドを続ける永橋則夫さんは「地元の利用客は1日2人程度だが、観光客にとって山陰と山陽を結ぶ重要な乗り継ぎ駅だ」と話します。

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備後落合駅主ガイド 会永橋則夫会長
「要所の駅として結んでいる、それが途絶えてはだめ、お客さん来なくなる。バスに乗りに来たのではないというお客さんがたくさんいる」

湯崎知事は、「JRの相談内容が廃止を前提としたものであれば、応じられないと考えている。今後、具体的な説明があれば、島根県や庄原市と対応を検討したい」とコメントしています。