2024年4月14日、韓国メディア・韓国経済は「東京の美術館では世界的な名画の展示が多く行われているが、ソウルでは1回あるかないか」だとし、「世界の傑作がソウルに来ない理由は金だ」と指摘した。

記事は「国宝級の名画が1点、海外に行くだけで数千万〜数億ウォン(数百万〜数千万円)かかる。レンタル料、輸送料、保険料などで展示会は30億〜100億ウォンを必要とするが、韓国の国公立文化芸術展示機関には予算がない」と説明している。韓国の関連機関は「文化福祉」の名目で政府から年間数百億ウォンの支援を受けてはいるものの、独自の収益基盤がないため慢性的な資金不足にあえいでいるという。

韓国の国立中央博物館は、常設展示は全て観覧無料。国立現代美術館は入館料5000ウォン。ソウル市立美術館は1月に全ての展示を無料公開とする計画を発表した。一方、東京の美術館は観覧料金がおおむね大人で2100〜2300円ほど、日本人画家の展示も1800円ほどとなっている。

米国やフランスの有名美術館はコロナ禍による観覧客の減少、人件費上昇などに伴う財政難を打開するため、軒並み入館料を値上げした。結果、入館料収入が増加。増収分は新規コレクションの確保資金として「美術館・博物館の本質的競争力の強化」に投じられているという。

記事は「無料展示」を掲げる韓国内の雰囲気は「世界に逆行している」「無料展示は長期的な文化芸術水準の向上にとって障害物になり得る悪循環の輪を作っている」などと指摘している。

ゴッホ、クリムトなど有名画家の名作展示を韓国で開催する場合、美術館、ギャラリー、個人収集家の所蔵品を1カ所に集める必要があり、多額の費用がかかる。展示には数点の名画と、ポスターやレプリカが並ぶことになるケースも多いという。美術界関係者は「韓国の観覧客の文化水準はグローバルスタンダードを上回って久しいが、粗末な展示しか行われていない」と話す。そのため、年に3〜4回、展示観覧を目的に東京の美術館を訪れる人が増えているという。

この記事に、韓国のネットユーザーからは「身銭を切りたくないドケチ根性がはびこる国だからな」「無料で当然という国民性だから…」「無料でも見に行かないのに、有料だったら観覧客0人になる。それが韓国の文化水準だ」「こういう展示を見に行く人は経済的に困っていない。無料にする必要がある?」「無料なのは正直、理解できない。年間管理費だけでもかなりかかるだろうに」「日本国内で所蔵されている名画はものすごく多い。文化水準を見ればなぜ先進国なのかが分かる。地方にも美術館やすばらしい建築物、図書館も多い。でも無料ではない。韓国もレベルは上がってきている。コーヒー1杯の余裕のように美術館を利用する余裕は持てないものか」といった声が寄せられている。(翻訳・編集/麻江)