2024年5月23日、中国メディアの第一財経は、オランダの半導体製造装置大手ASMLが中国で人材獲得に乗り出す中で困難に直面していると報じた。

記事によると、ASML中国エリアの毛琴(マオ・チン)人材チーフマネジャーが先日開かれた人材交流会に参加した際に「ASMLではこの数年、中国での従業員数が安定的に増えている。今後中国事業の発展を支えるため、現地人材群の規模を拡大していく」とコメント。昨年に売上高前年比30%増の成長を実現した同社について、今年を調整期、来年をさらなる成長期と位置付けた上で「中国事業も関連法律を順守するという前提のもとで引き続き発展させる」と述べた。

同社は現在中国国内16都市に事務所を構えているほか、倉庫物流センター12カ所、グローバルトレーニングセンター1カ所、開発センター3カ所、部品現地調達センター1カ所を所有。国内の従業員数も2019年の約1000人から1700人余りにまで増えた。毛氏によると、従業員の半数以上はカスタマーサポートエンジニアで、開発者は約400人となっているものの、提供する製品やサービスの種類が増える中でさらに多くの職種を確保する必要が出てきたという。

成熟度の高いビッグモデルやインターネット関連企業に比べると、現在の半導体産業は最先端人材の呼び込む力が低下しているようだ。毛氏はフォトリソグラフィー分野で人材需給バランスが崩れ、供給が追いつかない状態であるとの認識を示した上で、同社にとって重要な事業である計算機リソグラフィー事業の人材確保では特にネット関連企業との競合が発生していると語った。また、同社では現在、航空宇宙や自動車製造、機械エンジニアリングといった業界を横断するバックグラウンドを持つ人材確保に力を入れているとした。(翻訳・編集/川尻)