Maki Shiraki Shinichi Uchida

[東京 17日 ロイター] - トヨタ自動車は17日、後席ドアを開けるスイッチに問題があるとして「プリウス」計13万5305台のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出た。このところ続いていた堤工場(愛知県豊田市)第1ラインの稼働停止は、この問題による品質確認作業のためという。リコール対策品の生産準備に時間がかかることから、プリウスの生産停止を当面継続する。

堤工場では第1ラインの稼働を4日から停止していたが、トヨタの広報担当者は停止の理由について「生産工程の確認作業のため」との説明にとどめていた。同ラインでプリウスと併産している「カローラ」のみ、18日から生産を再開する。プリウスについては、顧客からの店頭受注は引き続き受け付けているが、販売店からメーカーへの発注は停止している。これまでの稼働停止に伴う生産への影響台数は非公表としている。

リコールの対象は、2022年11月─24年4月に生産されたプリウス。スイッチの防水性能が不十分で、洗車などで大量の水がかかるとスイッチの内部に侵入して回路をショートさせ、最悪の場合、走行中にドアが開く恐れがある。これまでに不具合の報告が3件あった。スイッチを交換して対応する。

今回の不具合は設計上の品質によるもので、問題のプリウス向け後席ドアのスイッチを製造する東海理化も17日、トヨタがリコールを届け出たと発表した。東海理化は今回の問題に関する費用見積額を110億円としている。リコールの影響は修正後発事象として24年3月期の営業費用として業績に反映する。

*トヨタの申し出により、17日配信の記事の見出しと本文第1段落から「受注停止」の文言を削除し、第2段落に一部追記しました。