[ワシントン 17日 ロイター」 - イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は17日、英国のインフレ率は同銀行の予想通りおおむね低下しており、来月には目標とする2%の水準に向けて大きく低下するとの見通しを示した。

ベイリー氏はワシントンで開かれた国際金融協会(IIF)のイベントで、インフレ率の動向は英中銀の予想にほぼ沿っているとした上で、「来月の数字はかなりの低下を示すとみている」と付け加えた。

ベイリー氏は3月に行われた政策委員会後、利下げに向け景気は「正しい方向に動いている」と指摘。前日16日には、英インフレ率が低下していることを示す力強い証拠があるとした上で、利下げを開始する前にどの程度の証拠が必要なのかが英中銀当局者にとって依然問題だと述べた。

英国立統計局(ONS)が17日発表した3月の消費者物価指数(CPI)の上昇率は前年比3.2%と2月の3.4%から鈍化したが、ロイターのエコノミスト調査による予想の3.1%を上回った。

16日に発表された労働市場データでは、エコノミスト予想ほどの賃金上昇率の鈍化はなかったものの、失業率の上昇は大きく、6カ月ぶりの高水準となる4.2%に達したことが示された。

ベイリー氏は、労働市場は全体的に緩和しつつあるようだが、確固たる結論を出すのは難しいと述べた。