Leika Kihara

[ワシントン 17日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)の李昌ヨン総裁は17日、不安定な為替変動に対処するリソースと手段が当局にはあるとし、ウォン防衛へ市場介入する用意があることを示唆した。

李氏はワシントンで開かれた国際通貨基金(IMF)のパネルセッションで、早期の米利下げ観測の後退がウォンに「多くの逆風」をもたらしていると指摘。

過去数週間のウォンの動きについて「市場のファンダメンタルズ(基礎的条件)で正当化される状況からやや逸脱した」と述べた。

一方、最近の為替市場の環境について、米国の高金利が継続するとの見方からドルが上昇の一途をたどった2022年半ばとは「やや異なる」とし、最近のドル高は米連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始が遅れるとの見方による部分が大きいと指摘。

米利下げ時期を巡る不透明感が後退すれば、新興国通貨への圧力は弱まる可能性が高いとし「1年半前と比べて影響は一時的だろう」と述べた。

米国の利下げ後ずれ観測や韓国国内の根強いインフレを背景に、韓国中銀が引き締め政策を転換する時期の判断が複雑になっているとも指摘。

「インフレが予想通り鈍化しているという証拠をさらに確認したい」と語った。