Ann Saphir

[17日 ロイター] - 米クリーブランド地区連銀のメスター総裁は17日、物価上昇圧力が年内にさらに緩和し、米連邦準備理事会(FRB)の利下げが可能になるという見通しを示した。その上で、利下げを行う前にインフレ率が目標の2%に持続的に向かっていることを確信したいと述べた。

「ある時点で、より確信が持てるようになれば、われわれは政策正常化を開始し制約的なスタンスを弱めるだろうが、急ぐ必要はない」とし、経済動向を見極める慎重な姿勢を示した。

個人消費支出(PCE)価格指数が前年比2.5%、コアPCEがここ半年にわたり3%近くで推移する中、メスター氏は今年に入りインフレ率は予想を上回っていると指摘。

「時には物事がうまく運ばないこともある。われわれは状況を注視し、経済の現状が明らかになるまで待つ必要がある」とし、労働市場が堅調で、米経済成長も底堅いことから、FRBは行動する前にさらなる情報を待つ時間があると述べた。

同氏はわずか2週間前に、FRBが年内に利下げに踏み切るとの見方を示していた。

先物市場は現在、9月の利下げ開始を織り込んでいる。年内さらに1回の25ベーシスポイント(bp)利下げが行われるとの予想は5割前後にとどまっている。

6月末に退任するメスター氏は、同月半ばの米連邦公開市場委員会(FOMC)まで投票権を持つ。