Michael S. Derby

[ニューヨーク 17日 ロイター] - ニューヨーク連銀は17日公表の報告書で、米連邦準備理事会(FRB)のバランスシート縮小(量的引き締め)が2025年まで続くとの見通しを示した。終了時期は金融システムの流動性需要次第とみている。

「将来の金融・経済情勢と、それが準備預金需要やバランスシートに与える影響は極めて不透明」と指摘。FRBの公開市場操作(オペ)を実施するためにNY連銀が保有するシステム公開市場勘定(SOMA)に関する年次報告書で述べた。

FRBはコロナ禍対応で大量購入した国債や住宅ローン担保証券を圧縮する量的引き締め(QT)を進めてきた。保有資産は22年夏に付けたピークの9兆ドルから約7兆5000億ドルまで減少した。

FRB当局者や市場は利上げサイクル終了をほぼ確信しており、QTをいつ停止できるかが焦点となっている。当局者らは市場の不安定化リスクを抑えるために月950億ドルを上限とする圧縮ペースの大幅減速を検討しているが、終了時期について見通しは示していない。

報告書によると、市中銀行がFRBに預ける準備預金の積み増しを求めるシナリオでは今年前半にQTを減速させ、25年初めにバランスシート規模6兆5000億ドルで停止することが可能になる。準備預金需要が低い場合は25年前半にQTを減速させて同年半ばに6兆ドル規模で停止可能と想定している。