Sameer Manekar

[2日 ロイター] - 豪銀大手ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)が2日発表した2024年3月までの中間決算によると、無形資産償却や買収に伴う損益影響などを調整した重要な財務指標であるキャッシュ利益が前年同期比13%減の35億5000万豪ドル(23億2000万ドル)だった。UBSがまとめたビジブル・アルファの市場予想コンセンサスと一致した。

資金調達コストの上昇や新規事業向け融資の競争激化が要因で、NABは預金金利を高めにしながらも、貸出金利を競争力のある水準に設定したためキャッシュ利益が減少した。

NABは企業向け融資でオーストラリア首位。住宅ローン分野にも乗り出しているが、融資競争が激しく、利ざや圧迫の主要因となった。さらに預金構成の影響もあって、収益性を示す純金利マージン(NIM)は5ベーシスポイント低下の1.72%となった。ただ、ビジブル・アルファのコンセンサス予想である1.69%を上回った。

中間配当は1株当たり0.01豪ドル増額し、0.84豪ドルとした。

また、昨年8月に開始した自社株買い計画の規模を15億豪ドル(9億7900万ドル)積み増した。自己資本比率のうち、損失吸収力などを示す普通株式等Tier1(CET1)比率は3月末段階で12.15%に上昇し、従来目標11.0―11.5%を超えた。