[ロンドン 2日 ロイター] - S&Pグローバルがまとめた4月のユーロ圏のHCOB製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は45.7と前月の46.1から低下した。

製造業者は価格を引き下げたにもかかわらず需要が落ち込み、再び人員削減を余儀なくされたことが明らかになった。

PMIは22カ月連続で好不況の分かれ目となる50を下回ったが、速報値の45.6から上方修正された。    

生産高指数は3月の47.1から47.3に上昇し、速報値と一致した。

ハンブルク商業銀行のチーフエコノミスト、サイラス・デラルビア氏は「何がユーロ圏経済を救うのかは難しい問題だが、はっきりしているのは製造業ではないということだ」と述べ、製造業の低迷は4月も続いていると指摘した。

新規受注指数は前月の46.0から44.1へ低下し、4カ月ぶりの低水準となった。製造業は目先の好転が望めないことが示された。同指数は2022年5月以降50を下回ってる。

製造業者は購買品在庫と完成品在庫を減らし、従業員を11カ月連続で削減した。

<域内で明暗>

域内の業況は明暗分かれた。ドイツは好不況の分かれ目である50をなお大きく下回りながらも前月から改善。フランスは一段と悪化し3カ月ぶりの低水準となった。前月50を上回ったイタリアは再び悪化局面に転じた。

一方、スペインは景況拡大が続きPMIは約2年ぶりの高水準となった。

コンサルティング会社マッキンゼーのパートナー、Boudewijn Driedonks氏は、伝統的に製造業が強いドイツの低迷が続く一方で、スペインは製造業のハブとして台頭したと指摘した。スペインは政府の投資が寄与し、製造業・テック分野で海外からの投資先になるとした。