Maki Shiraki

[東京 2日 ロイター] - 日本航空(JAL)の斉藤祐二副社長・グループCFOは2日の決算会見で、足元での円安進行を巡り、日本から海外へ向かう旅客需要に「(影響が)大きく出ている」と明らかにした。

日本発の観光需要はコロナ禍前に比べ5割程度、ビジネス需要は6割を超えるほどしか戻っておらず、今後の「回復が懸念される」と語り、「為替の水準は是正されるとありがたい」と述べた。

斉藤氏は、観光需要について「いろいろな対応策をとっても今の円安水準ではなかなか(需要が)戻りにくい」と話した。ビジネス需要は今年度の回復を期待している、としつつ「本来は為替で動くものでもないが、回復に影響が出るのでは」と懸念を示した。

訪日客需要の拡大などで外貨建て収入は増えるが、円安がこのまま続けば機材調達コストにも響きかねない、とした。

円安に伴う運賃への影響に関しては「これから予約の入る夏休みは、円安になったからといって運賃を変動させることは基本的にはない」と説明。円安の影響で少し需要が弱くなる場合は「需要喚起的な運賃も少し考えていく必要がある」と語った。

JALはこの日、2025年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比4.7%増の1000億円になりそうだと発表した。コロナ前の19年3月期の1508億円以来、6年ぶりに1000億円台を回復する見込み。IBESがまとめたアナリスト11人による予測平均値は1035億円で、ほぼ同水準となっている。