[オタワ 2日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)のマックレム総裁は2日、下院財政委員会で、米国とカナダの金利の乖離には限界があるとした上で「その限界に近づいていないのは確かだ」と述べた。

マックレム氏は、5%と約23年ぶりの高水準にある政策金利を引き下げる前に、基調的なインフレ率の最近の鈍化が持続的かどうかを見極めたいと改めて指摘した。

短期金融市場では中銀が6月に利下げを決定する確率を50%超と見込んでいるほか、9月までに利下げが実施されることを完全に織り込んでいる。

マックレム氏は「われわれは独自の金融政策を実施でき、カナダの金利が米国の金利や世界の金利と同じである必要はない」とした上で「しかしその乖離には限界がある。その限界に近づいていないことは確かだ」との見解を示した。

マックレム氏は、カナダで家計の負債率がより高いことや、住宅ローンが主に5年ごとに更新されることなどから、金融引き締めが米国よりもカナダで大きな影響を及ぼしているとの見方を改めて表明した。

カナダの3月のインフレ率は前年同月比2.9%で、中銀目標の2%を上回っている。マックレム氏は、ガソリン価格の上昇もあり、数カ月はこの水準付近にとどまる可能性が高いとの見方を示した。