[ビリニュス/フランクフルト 6日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)の3人の当局者は6日、ユーロ圏のインフレ率が引き続き緩和しており、ECBは利下げに対する確信を強めているとの見方を示した。

ECBのチーフエコノミストであるレーン専務理事のほか、ECB理事会メンバーのシムカス・リトアニア中銀総裁およびブイチッチ・クロアチア中銀総裁はインフレ率と成長率の最新のデータを受け、インフレ率が来年半ばまでにECBの目標である2%に回帰するとの見方が強まったと述べた。

欧州連合(EU)統計局が4月30日に発表した4月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)上昇率(速報値)は前年比2.4%と、3月と同水準だった。ロイターがまとめた市場予想と一致した。

また、第1・四半期のユーロ圏域内総生産(GDP)速報値は前期比0.3%増、前年比0.5%増だった。

レーン氏はスペイン紙エル・コンフィデンシャルに対し、サービス価格のインフレがついに鈍化し始めたとして6月利下げの可能性が高まっていると指摘。「4月のHICP速報値も、第1・四半期GDPも、インフレ率がタイムリーに目標に戻るという私の確信を高めている。今日時点で、私自身の確信度は4月会合と比べて向上した」と述べた。その上で、今後数週間に重要データがさらに発表されると指摘した。

シムカス氏は、ECBが2024年末までに3回の利下げを行うと引き続き予想していると言及。記者団に対し「今後さらに利下げが行われると考えているが、今年は3回の利下げを予想しているとすでに表明しているものの、その回数については詳述しない」と語った。

ブイチッチ氏はイベントで「これまでに入手されたデータは、われわれの予測とかなり一致している」とし、「現時点でわれわれが見ているように、予測が正しいとすれば、政策スタンスは緩和されるだろうが、インフレ率を2%水準に引き下げるために依然として制約的な領域にとどまるだろう」とした。

レーン氏は4月のインフレ統計では、サービス部門のインフレ鈍化に進展が見られたと指摘したが、ECBは今後もサービス価格の動向を注視し、ディスインフレ基調に水を差さないか見極めると述べた。

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