Andrew Osborn

[ロンドン 11日 ロイター] - ロシアの反政府活動家で2月に刑務所で死亡したナワリヌイ氏の妻ユリアさんは11日、X(旧ユイッター)への投稿で、ナワリヌイ氏が執筆していた自伝が10月22日に少なくとも11カ国語に翻訳されて出版されると明らかにした。

ユリアさんによると、ナリヌワイ氏は2020年に毒殺未遂に遭って治療のためにドイツに出国した後に自伝「愛国者」の執筆を開始した。

自伝はロシア語版も出版される予定だが、ロシア国内で入手できる公算は小さい。ロシア当局がナリヌワイ氏の活動を過激派の違法行為とみなしているためだ。同氏はプーチン大統領と対立していた。

ユリアさんは「こういう形で自伝が書かれるとは想像していなかった。自分たちが80歳台になってから、彼が自分のパソコンに向かって書くものだと思っていた」と記した。「彼は国内の出来事と相まって、自身の人生における出来事を振り返るのが好きだった。例えば、子ども時代の回顧を楽しんでいた」という。

英出版社ペンギン・ブックスはXに投稿した声明で、自伝は「ナリヌワイ氏の人生を全面的に伝える内容であり、彼が自分の人生を犠牲にして行った仕事を続けるための強い呼びかけだ」と説明した。

米国で自伝を出版するアルフレッド・A・クノップは、声明でユリアさんの発言として「自伝の共有は彼の記憶を受け入れるだけでなく、正義のために立ち上がるとともに真に重要な価値観を失わないよう、人々を力づけるだろう」と伝えた。