[29日 ロイター] - 調査会社ライスタッド・エナジーのアナリストはリポートで、石油・ガス業界の上流部門は全世界で今後年末までにさらに1500億ドル相当の合併・買収(M&A)案件がまとまり、重点が米テキサス州などのシェール鉱区「パーミアン盆地」から米国の他のシェール鉱区に移るとの見通しを示した。

全世界の上流部門は年初来のM&Aが既に前年同期比145%増の640億ドル超と2019年以来の高水準となっており、そのほとんどを米国が占めている。

北米は第1・四半期のM&Aが約540億ドルで世界全体の83%に上っており、年末にかけて引き続き業界再編のけん引役となる見込み。

今年の案件はほとんどが、テキサス州西部からニューメキシコ州南東部にかけて広がるパーミアン盆地に集中しており、企業はこの鉱区での資産を手に入れようと躍起になっている。

米国では他のシェール鉱区も大型の投資を引き付け、エクソンモービルがノースダコタの資産売却を検討するなど、パーミアン以外の案件が約410億ドルとなっている。

米国以外のM&Aは年初来で前年同期比5%増の105億ドル。全体の約66%を天然ガス産出鉱区が占めた。

ライスタッド・エナジーのアトゥル・ライナ氏は「(M&Aの)意欲は依然として強く、事業買収を画策する企業は(パーミアン)盆地の外の資産に目を向けている。そのため業界全体に大きな変化が起こり、将来的にはパーミアン以外の資産が北米のM&Aの中心になる可能性がある」と述べた。