William James

[ロンドン 5日 ロイター] - 7月4日の英総選挙を控え、スナク首相の与党・保守党は新たな打撃に見舞われている。世論調査によると、中道右派有権者の支持が右派ポピュリスト政党「リフォームUK」に流れており、中道左派野党でキア・スターマー氏率いる労働党が14年ぶりの与党返り咲きに一段と近づくとの見方が改めて裏付けられた形だ。

こうした情勢の背景にはナイジェル・ファラージ氏がリフォームUK党首に就任し、6月3日に予想外の出馬表明したことがある。

ファラージ氏は対欧州連合(EU)政策と移民問題で強硬姿勢をとるよう歴代政権に要求してきた政治家。過去7度立候補し全て落選したものの、依然として英政界への影響力が非常に大きい。

調査会社ユーガブが6月5日発表した世論調査では、リフォームUKの支持率は17%。保守党の19%に2ポイントに迫った。リフォームUK支持は全国均等に広がっており、保守党の支持分布に片寄りがあるのと対照的だ。労働党支持率は40%と、支持政党トップだった。

英選挙制度には比例代表制がない。このためリフォームUKが議席を獲得できても多くは見込まれていない。保守党はこの点に着目しリフォームUKに投票すれば労働党を利すると警鐘を鳴らし、保守票の手繰り寄せに躍起になっている。