新潟・長岡労働基準監督署は5月23日、醸造工程における転落による危険防止措置を徹底するよう、長岡市内の酒造会社17事業場で構成する事業者団体などへ要請した。今年2月に長岡市内の酒造会社で死亡事故が発生したことを踏まえたもので、仕込み作業時に発酵タンクへ転落する災害を防ぐための丈夫な柵の設置、柵の設置が困難な場合の防網・墜落性使用器具の使用、安全面から見て適切な作業手順書の作成と周知、リスクアセスメントの導入による潜在的な危険有害性の発見と安全対策の実施を求めている。

 2月に発生した事故では、もろみの仕込み作業で発酵タンク内の温度測定をしていた50歳代の男性酒造工がタンク内部に転落して溺死している。タンクの上部開口部には転落防止用の蓋などが設置されておらず、転落防止のための柵や覆いなどもなかったという。