母国の平和を願い、水をかけ合う参加者=鳥栖市の都市広場

鳥栖市 ミャンマーの新年を祝う伝統行事「水かけ祭り」(ティンジャン)が14日、鳥栖市の都市広場であった。国軍と民主派や少数民族武装勢力との戦闘が3年以上続く母国の平和を願いながら、県内外で暮らすミャンマー人約400人が水をかけ合った。

 ミャンマーの正月は4月で、ティンジャンには1年間の苦労や不幸を洗い流して新年を迎えるという意味が込められている。参加者はバケツやペットボトルを使って水をかけ、ミャンマーの伝統的な踊りや歌も紹介された。

 ミャンマーの有名歌手・エテンさんも会場で歌声を披露。反軍政デモに参加して逮捕された経験があるといい、「戦闘で苦しんでいる人たちのためにも今の状況が早く良くなってほしい」と願った。

 今年2月に国軍が徴兵制の実施を発表するなど、現地では混乱が続いている。嬉野市のイケカイソーさん(27)は「3年以上家族に会うことができていない。本当に悔しい気持ちでいっぱいで、この現状を多くの人に知ってもらいたい」と話した。

 佐賀県や福岡県などで暮らすミャンマー人の団体「FEDERAL MYANMAR」が主催した。(井手一希)