箏を演奏する佐志中の生徒(手前)=唐津市の唐津城天守閣横櫓

 唐津市の唐津城天守閣横櫓(やぐら)で4月29日、箏(こと)の演奏会があった。佐賀県内で箏に親しむ児童・生徒ら約20人が、城のそばで美しい旋律を奏でた。

 邦楽文化の発展を通じ、豊かなまちづくりを目指す「結の箏」が子どもたちの発表の場をつくろうと初めて開いた。唐津市を中心に県内の教室などで学ぶ児童から大人までのほか、授業を通じて箏に触れた佐志中吹奏楽部の生徒も出演した。

 雅楽の代表曲「越天楽(えてんらく)」や「海の見える街」といったジブリの名曲など計9曲を披露した。このうち、佐志中吹奏楽部は「さくらさくら」「もののけ姫」を合奏し、来場者から拍手が送られた。

 佐志中3年で、吹奏楽部部長の浜崎由花(ゆいか)さん(14)は「1月に授業で習い、部活でも取り組んだ。普段とは違う弾き方で難しかったが、昔ながらの日本の音楽に触れて楽しかった」と笑顔を見せた。「結の箏」会長の吉川るり子さん(51)=唐津市=は「すてきな会場で素晴らしい演奏だった。日本文化を通じて成長する子どもたちを応援していきたい」と話した。(松岡蒼大)