400以上の焼き物店が並ぶ陶器市。普段は駐車場になっているスペースも期間中は店舗として商品がずらり 皿山通りを埋める焼き物ファン。初日は昼ごろから雨が上がり、店を巡る足取りも軽やか

 4月29日に開幕した第120回有田陶器市。有田焼の歴史と文化が息づく町に、今年も400を超える店が並んだ。序盤は雨が降ったりやんだりのあいにくの天気となったが、連日多くの焼き物ファンでにぎわっている。5日まで。

雨が降る中で開幕した4月29日、傘を差しながら掘り出し物を探す人たち=有田町 絵付け体験を楽しむ女性グループ。作品は思い出に残る一点もの

 初日は朝から激しい雨が降り、この日を待ち望んだ人々の出はなをくじいた。メイン通りに店を出した武雄市の焼き物作家、六平(ろくへい)さん(57)は「売り上げが多い初日が大事なのに。やんでくれたらいいけど…」。すると昼前に雨が上がり、通りに元気な呼び込みの声が響いた。

時間をかけて選んだ小皿を父親に渡す男の子 店先に並ぶ磁器製の風鈴。涼やかな音色が客を呼び込む

 今年から新たに有田駅前にも歩行者天国が設けられ、キッチンカーが並んだ。インバウンド(訪日客)の増加で外国人の姿も目立つようになった。明治29(1896)年に始まり、120回の歴史を重ねた陶器市。これからも時代に合わせて形を変えながら、130回、140回と続いていく。(文・青木宏文、写真・米倉義房)

「まとめて買うから安くして」と店員さんに交渉。さて結果は? メインの通りから見えるように設置された看板。宣伝効果で集客アップ