贈呈式に出席した「起立工商DMO」の竹尾恵介代表理事(左)と「都紀女加王墓と古墳公園を守る奉仕団」の碇勝征顧問=上峰町役場

 上峰町の鎮西山城跡から佐賀県内で初めて出土した玳玻天目(たいひてんもく)茶碗を参考にした「玳玻天目酒器(ぐい飲み)」が制作された。町の魅力をPRしようと、地元の地域おこし団体「都紀女加(つきめか)王墓と古墳公園を守る奉仕団」が企画し、他の市町との交流事業での贈呈品などに活用される。

 奉仕団が手掛ける日本酒「鎮西八郎」を効果的にPRするため、酒器の制作を企画。有田町の真右ェ門窯に依頼して約100個制作した。酒器は口径約7センチ、高さ約4センチで、出土した玳玻天目茶碗より一回り小さい。深みのあるべっ甲模様のグラデーションが特徴で、縁にはきらびやかな金が施されている。

 1日に町役場で贈呈式があり、奉仕団から同町の観光振興を担う「起立工商DMO」に酒器が渡された。奉仕団の碇勝征顧問(82)は「町の宝である鎮西山をより多くの人に知ってほしい」と期待を込めた。起立工商DMOの竹尾恵介代表理事(37)は「上峰の歴史や文化をPRしながら、交流人口の増加にもつなげられるよう有効に活用したい」と話した。(井手一希)