就職おめでとうございます。社会人となって1カ月が過ぎましたが元気で働いていますか? コロナ禍で制限の多い学生時代を過ごし、健康にも随分と気を遣いながら入社に向けて準備してきましたね。入社後に疲れやめまい、食欲低下などの症状はみられませんでしたか。環境変化によるストレスもあるでしょうが、3月から4月の10度を超える気温の寒暖差や気圧の変化で、自律神経系が乱れたことによる春バテかもしれません。

 新入生だったころのゴールデンウイーク明けを覚えていますか。学習環境や人間関係などに慣れずに、五月病といわれる不調を感じましたね。大学では10人程度の新入生グループに教員1人を配置し、早く学生生活に慣れるよう学業や生活面で助言をしました。授業を休みがちの学生には、補習授業を組むこともありました。グループには各学年の上級生もついたので安心できましたね。入学時の適応支援からキャリア形成支援を受け、あなたは社会に巣立ちました。新入社員でも五月病があるそうです。学生時代を思い出し、職場の先輩や上司の助けを受けて対処してください。

 最近では、新入社員に六月病(五月病が慢性化)が増えているそうです。春バテや五月病を乗り切り業務にも慣れ、できることも増えたころに症状が現れます。それまでたまっていた疲れがどっと出るのかもしれません。責任感が強い人にみられやすく、うつ状態に陥ると周囲に助けを求めることができなくなります。早めの予防が肝心です。

 あなたは、ウィズコロナで健康意識を高め生活習慣に気をつけ、高校や大学での環境変化にも適応してきました。社会人としては「ひよっこ」ですが、底力が備わっています。時には失敗もありますが、それは必ず成長に役立ちます。恐れずに自分を信じ前に進みましょう。同僚、先輩、上司、家族が応援しています。

 (佐賀大学名誉教授、一般社団法人ヘルスサポーターズ・イノベーション理事 佐藤珠美)