青空美術部に通う生徒を指導する錦織瑞穂さん(右)=佐賀市の思斉くらし総合センター

 学校に美術部がなかったり、運動部所属だったりとアートを学ぶ環境に恵まれない中高生らが学区を越えて集まる「青空美術部」が4月、佐賀市内でスタートした。市内などで活動する絵画教室とNPO法人が取り組み、中学生から社会人までの生徒が通う。講師を務める画家の錦織瑞穂さん(34)=同市=は「子どもたちに美術を学ぶ機会を平等につくりたい」と話す。

 錦織さんが主宰する絵画教室青空アトリエとNPO法人ソーレ・スマイルが佐賀市の思斉くらし総合センターで週1回開き、小城市や福岡県久留米市からも生徒が通ってくる。学校に美術部がない思斉中3年の八次凛咲(りさ)さんは「高校は美術に進みたい。勉強できる所があってよかった」と作品づくりに没頭している。

 錦織さんは自宅とみやき町で絵画教室を開き、佐賀女子高でも美術を教える。自身は中学で美術部に所属し、佐賀北高芸術コースから愛知県立芸術大に進んだ。「中学に部がなく受験のためのデッサンが学べなかったら、美術の道に進めただろうか」と振り返り、「みんなで美術展に行ったり合宿をしたり、普通の美術部員のような青春を体験してもらうのが夢」と今後を見据える。

 ソーレ・スマイルは部活動の地域移行に合わせ、子どもの放課後活動の充実に取り組む。理事長の梅﨑優さん(47)は「学校と地域のハブになり、子どもたちが自由にやりたいことをできる環境をつくりたい」と活動の狙いを語る。

 毎週水曜の午後4時〜7時に活動している。対象年齢は小学5年以上。部費は画材代込みで月4500円。問い合わせは錦織さん、電話090(7456)3239。(花木芙美)