(セ・リーグ、阪神1ー1中日=規定により延長十二回引き分け、11回戦、阪神6勝3敗2分、26日、甲子園)昨季は相手バッテリーの脅威になり続けたが、今はその姿はない。阪神・岡田彰布監督(66)が、2人そろって12打数1安打の1番・近本、2番・中野の快足コンビにおかんむりだ。

「(得点は)入るわけないやん」

先頭打者と2番打者の低調な打撃について、吐き捨てるようにいった。一回、三回はともに凡退。1−0の五回2死から近本は左飛を打ち上げ、中野は1−1の六回先頭で遊ゴロに倒れ、打線の勢いを生み出せない。九回終了時点で2人にヒットはなく、1−1で迎えた延長十回2死から中野が右中間への二塁打でようやくチャンスメークしたが、時すでに遅しだった。

とくに近本は6打席立ってすべて凡退という自身初の屈辱的な結果に終わった。直近5試合は打率・087(23打数2安打)とどん底状態で、6月の月間打率も・167(78打数13安打)と低調。5月の同・312(93打数29安打)から下降線をたどっている。

「ポップフライやん。足のあるもんがな。足を生かせばええのにな」

盗塁王4回獲得の近本が塁をにぎわし、躍動感あふれる走塁で得点につなげる姿こそが岡田阪神の大きな武器だ。中野のスピードも打線が主導権を握るためには欠かせない。虎将が求める攻撃パターンが構築できなければ、ズルズルと後退してしまう。(新里公章)

■データBOX

◉...近本は6打席立って、すべて凡退に終わった。1試合に6打席以上回ってきたのは43度目で、無安打だったのは2023年7月2日の巨人戦(4打数無安打2四死球)以来6度目だが、6打数無安打は初