広島ユース出身で、トップチームでも主力を張る満田誠は、J1リーグ制覇に向けて熱い想いを抱いている。

「自分がユースに入った時(2015年)に広島が優勝しました。それをスタンドから見ていて、凄い盛り上がっているのが分かりました。今、新スタジアムに毎試合満員に近い観客が来てくれて、ユース出身者がたくさん出ている年にやっぱり優勝したいです」

 競っているわけではないが、満田が気になるのはあの球団だ。

「どうしても広島は野球、カープのほうが人気があって。それに負けないくらいサンフレッチェにも熱はあるので、ドラマチックな展開で優勝できればサッカーファンを増やせるのかなと思います」

 J1制覇に向け、満田は「負けない雰囲気を作ることが大事」と話す。

「観戦していて今日も勝ったなみたいな。そういう雰囲気を作られると、相手も嫌だと思います。それこそ3年前の川崎フロンターレ。まさに、負けない集団でしたよね。どことやってもどうせ勝つんだろうなって。あれが理想です。戦う前から、相手も『川崎かあ』みたいに、『広島かあ』っていうチームになれれば」
 
 2021年シーズン、川崎は勝点92で独走優勝している。当時の川崎になれるポテンシャルが今の広島にはあるのではないか。良いサッカーはしているが、そこまで勝点を伸ばせてない現状を打破できれば、広島はJリーグで突き抜ける存在になれるのではないか。そんな質問をぶつけると、満田は次のように答えた。

「引き分けでどれくらいの選手が満足しているか。そこを勝ちに持っていけるかどうか。スコアレスドローだった神戸戦(4節)も相手のほうがチャンスがあったなか引き分けで満足せず、どれだけの選手、スタッフが勝利にこだわっていたか。そういう熱量が大事です。

3年前の川崎は苦戦した試合もあるけど、途中出場の選手が点を取ったりしていました。ポジション争いも重要で、スタメンを脅かす選手がたくさん出てくれば、良い意味での危機感が生まれるはずで。競争は本当に大事です」

 では、負けない雰囲気を作るためにはどうすべきか。満田は即答した。

「失点を減らすことと先制点を取ること」

これを実践できれば広島は良いチームから常勝軍団になれると、満田は信じている。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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