2024明治安田J1リーグ第11節が3日に行われ、アルビレックス新潟とサンフレッチェ広島が対戦した。


 ミヒャエル・スキッベ監督の下、サンフレッチェ広島は開幕から無敗を維持する唯一のクラブだが、直近は3試合連続ドローと勝ち切れていない。前節は首位町田ゼルビアから5位名古屋グランパスまでの上位陣が揃って足踏みをしたため、勝ち点差が開くことはなかったが、5月の連戦で首位に浮上するためにも、早く白星が欲しいところだ。


 対する本拠地『デンカビッグスワンスタジアム』にサンフレッチェ広島を迎えるアルビレックス新潟は、ここまで3勝3分4敗の14位。前節FC東京戦は今シーズン最多となる3失点を喫した他、またしても先制点を許す(10試合のうち8回目)など、課題が顕著に現れた敗戦だっただけに、立て直しを図れたかが問われる一戦となる。


 最初にチャンスを作ったのは広島だった。6分に左サイドで獲得したFKから、DF佐々木翔が迫力のあるヘディングシュート。ただこれはコースが甘く、相手GKにキャッチされた。その後は新潟のビルドアップと、広島のハイプレスが噛み合った攻防が続いていく。


 が28分、ゲームバランスが崩れる。右サイドでボールを受けた広島MF中野就斗に対して、新潟DF早川史哉が足裏を見せる形でのタックルを敢行。当初はイエローカードが提示されたものの、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が介入。レッドカードに変更され、新潟は残りの60分近くを10人で戦うことになった。


 スコアレスで折り返した後半は、数的優位に立った広島のハーフコートゲームになった。まずは47分、中央でのパス回しから右サイドに展開すると、中野がゴール前にクロスを供給。FWピエロス・ソティリウが頭で合わせだが、ここはうまく当たらなかった。続く51分には左サイドから起点を作ると、ポケットに侵入したMFマルコス・ジュニオールが中央へ折り返しのパス。ソティリウが今度は足で合わせるも、枠外に外れてしまった。


 そして70分、ついに相手ゴールをこじ開けた。MF満田誠のミドルシュートから左CKを得ると、MF東俊希がアウトスイングのボールを蹴る。これを打点の高いヘディングで叩いたDF荒木隼人が先制点をもたらしたのだ。


 一方の新潟は、途中出場のMFダニーロ・ゴメスが孤軍奮闘。すると、連敗が現実味を帯びてきた後半アディショナルタイムに、そのダニーロ・ゴメスの仕掛けから、最後は相手DFのクリアボールにいち早く反応したMF高木善朗が右足を振り抜く。日本代表のGK大迫敬介が守るゴールを破った。


 試合はこのまま、1−1で終了。両者が勝ち点1を分け合ったが、その重みは対照的なものに。次節、広島は開幕3連敗から本調子を取り戻しつつある名古屋グランパスと、新潟は連覇を目指すヴィッセル神戸と対戦する。


【スコア】

アルビレックス新潟 1−1 サンフレッチェ広島


【得点者】

0−1 70分 荒木隼人(広島)

1−1 90分+4 高木善朗(新潟)