2024明治安田J1リーグ第13節が12日に行われ、鹿島アントラーズと東京ヴェルディが対戦した。


 オリジナル10の両チームによるJ1リーグでの対戦は、2008年以来16年ぶり。ここまで7勝1分4敗の3位(前節終了時点)につける鹿島アントラーズは、リーグ戦3連勝と好調を維持しており、2018年のACL優勝を最後に遠ざかっているタイトル獲得へ邁進している。対する東京ヴェルディも、前節ジュビロ磐田戦の劇的勝利により、今シーズン初の連勝とチーム状態は上向き。ただ今節は、鹿島からレンタル加入中のCB林尚輝とFW染野唯月の主力2選手が契約の関係上出場不可となる。


 試合は3分、いきなりスコアが動いた。右コーナーキックを獲得した鹿島のMF名古新太郎がアウトスイングのボールを入れると、クリアしようとした東京VのFW木村勇大の腕にヒット。VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の介入を経て、PKの判定に。これをFW鈴木優磨が冷静に決め、早々に先制点を挙げた。


 さらに8分、名古が東京Vの最終ラインをブレイクすると、その動き出しを見逃さなかった右SB濃野公人がスルーパスを供給。ボールを受けた名古は、ペナルティエリア内右から左足コントロールシュートでゴールネットを揺らした。対する東京Vは、パリ五輪世代のMF山田楓喜がフリーキックから惜しいチャンスを作ったが、ゴールに迫る回数では鹿島に上回られたまま。鹿島から主導権を奪うことができずに、前半を0−2で折り返した。


 迎えた後半、鹿島が試合をさらに優位に進める3点目を決める。50分に右コーナーキックを獲得すると、名古の精度抜群のボールにCB植田直通が強烈なヘディングシュート。相手GKの手を弾くほどの勢いだった。


 一方の東京Vは69分、主将MF森田晃樹が敵陣ボックス付近でボールを奪い返すと、最後はMF齋藤功佑が左足ミドルシュート。低弾道のボールがゴールネットを揺らし、反撃の狼煙を上げた。


 その後は攻勢に出る東京Vと、カウンターでトドメを刺したい鹿島の構造に。徐々にオープンな展開がなりつつあった中、80分に東京VのMFチアゴ・アウベスの粘りから左サイドを駆け上がったMF翁長聖が収めると、ゴール前にグランダーのクロスを送り込む。これに対して、MF山見大登がニアで潰れたことで、ボールがファーサイドに流れると、最後は木村が詰めて1点差に迫った。


 このまま試合が終わるかと思われた後半アディショナルタイム、東京Vが追い付いた。フリーキックからCB谷口栄斗がゴール前に頭で落とすと、最後は見木友哉が触って劇的同点弾。そして試合はこのまま3−3でタイムアップ。3点リードを追い付かれた鹿島は4連勝を逃す形に。対する東京Vは、これでリーグ戦10試合無敗となった。


 ミッドウィーク開催となる次節、鹿島はサンフレッチェ広島と、東京Vはガンバ大阪と、それぞれ中2日での対戦となる。


【スコア】

鹿島アントラーズ 3−3 東京ヴェルディ


【得点者】

1−0 5分 鈴木優磨(鹿島)

2−0 8分 名古新太郎(鹿島)

3−0 50分 植田直通(鹿島)

3−1 69分 齋藤功佑(東京V)

3−2 81分 木村勇大(東京V)

3−3 90分+3分 見木友哉(東京V)