ゴールデンウィーク恒例の風物詩となったネットユーザーのお祭り「ニコニコ超会議」が、今年も4月27日(土)、28日(日)に幕張メッセで開催され、多種多彩な企画の詰まったお祭りの数々で大いに盛り上がった。同人誌・ハンドメイド・配信者等々、ネットで活動する様々なクリエイターが集った「クリエイタークロス」など、新機軸の試みも行われた今年の超会議の様子をレポートしよう。

■幕張メッセが「誰もが主人公」というニコニコならではの世界に! 

撮影:斉藤直樹

撮影:斉藤直樹

リアル開催初日となる4月27日はぐずついた天候となったが、会場の幕張メッセには朝から多くの参加者が集結。午前10時の開始早々から、各企画ブースは多くの参加者が集まり、閉会まで盛り上がりが途切れることなく続いた。
これまでの「ニコニコ超会議」は様々なステージイベントや、主催者や参加メーカーが工夫を凝らした個性派企画で参加者と共に盛り上がるというスタイルがメインだった。だが、今回はネットで活動する様々なクリエイター達が参加して自己表現ができる「クリエイタークロス」の大幅拡大が目を惹いた。 

撮影:斉藤直樹

撮影:斉藤直樹

撮影:斉藤直樹

撮影:斉藤直樹

これまでも開催されていた企画だが、今回はボーカロイド企画と連動した即売会「THE VOC@LOiD 超 M@STER 55」や、マニアックなハンドメイドなど様々なマニアが出展する「マニアフェスタvol.8」などの併催イベントとも繋がるように、全ホールにスペースを拡大。クリエイターイズクロスのみで前回の6.8倍にあたる900組、併催イベントを合わせると総出展数は1,131組に。これだけのスケールで、思い思いの「好き」が繰り広げられたおかげで、会場全体で終日祭りの縁日や市場のような盛り上がりが繰り広げられた。その光景はまるで「ひとりのこらず主人公」という今回のテーマを具現化したかのようだった。

それに負けじとプロ側の企画も例年以上にパワーアップ。おなじみのボカロ関係にリアルのステージでの「歌ってみた」「踊ってみた」、そして「ニコニコ超会議」のラスボスである大スター・小林幸子が今年も度肝を抜くようなパフォーマンスで世代の垣根をぶち壊すなど、見所満載の催しが会場のあちこちで繰り広げられ、広い会場をあちこち見て回る疲れも消し飛ぶ程の楽しさに満ちていた。


小林幸子は「ギャル界のラスボス・さちぴ★」としてステージに登場。DJパフォーマンスやパラパラダンスなど最高にギャルなパフォーマンスで場内を沸かせた。


ネットの視聴者からの差し入れだけでスペシャルなカレーを作るおなじみの企画「みんなでつくる!ネットからの差し入れ超カレー」だが、今年はさらに現役力士が差し入れ食材でちゃんこ鍋を作る「超大相撲 みんなでつくる! 超ちゃんこ鍋」も登場。どちらも今日しか食べられないスペシャルな味を求めて長蛇の列が。


特設ステージで参加者が歌やダンスに興じられる「超歌ってみた」「超踊ってみた」、ストリートピアノや合奏が楽しめる「超演奏をしてみた」などのライブ企画は今回も大盛り上がり。さらにそれぞれのステージで同時に同じ曲でのパフォーマンスを繰り広げる「超合わせてみた2024」では、YOASOBIの「アイドル」を見事に合わせて盛り上がった。

撮影:斉藤直樹

撮影:斉藤直樹

ネット科学の人気グループ・薬理凶室による「超アリエナイ理科ノ実験2024」ステージでは様々な実験パフォーマンスに加え、『Dr.STONE』原作者・稲垣理一郎&JAXA職員・重藤真由美を招いて、同作で描かれた科学について深掘りするトークショーなどで盛り上がった。  

撮影:斉藤直樹

撮影:斉藤直樹

ニコニコとは深い縁のあるボーカロイド企画も満載。人気ボカロPによるボカロ音楽オンリーステージ「超ボカニコ 2024」ではファンにはたまらない神曲満載のステージが終日繰り広げられた。  

撮影:斉藤直樹

撮影:斉藤直樹

「超絵師展 〜IFの楽曲世界展〜」では総勢100名の人気イラストレーターが、有名ボカロ曲の世界を当時のオーダーシートを基に新解釈で描き下ろし。なじみ深い曲の新たなビジュアルの数々にボカロ曲ファンも見入っていた。 

撮影:斉藤直樹

撮影:斉藤直樹

ゲーム関係では人気実況者によるトークや対戦が繰り広げられた「ゲーム実況者超大集合2024」や、ステージ上で生でゲームのRTAに挑戦する「超RTA」など様々なパフォーマンスが繰り広げられた。

撮影:斉藤直樹

撮影:斉藤直樹

「ニコニコ超ポーカー」ではプロの棋士VSポーカープレイヤーや人気踊り手など、様々なジャンルのメンバーによるポーカー対決を披露。衆人環視の中、観客からは手札が見えている中で繰り広げられる対決に、このコーナーだけが緊張感と静寂に包まれていた。  

撮影:斉藤直樹

撮影:斉藤直樹

サービス開始から1.5周年を迎えた人気ゲーム『勝利の女神:NIKKE』ブースでは、キャラクターに扮したコスプレイヤー達が登場するリアル10連ガチャなどユニークな企画が盛りだくさん。

撮影:斉藤直樹

撮影:斉藤直樹

「超痛車天国inニコニコ超会議」では気合いの入ったクールな痛車が勢ぞろい。もはや痛いを通り越して日本独自のカスタム文化としての成熟ぶりを実感させられる。

撮影:斉藤直樹

撮影:斉藤直樹

人気オンライン対戦ゲーム「#コンパス」のステージでは、公式大会代表決定戦などのゲーム企画からDJ・ダンス・コスプレステージなど多彩な企画が繰り広げられた。   

プロが本気で遊ぶ大きなステージ企画もあれば、一般のニコニコユーザーならではのマニアックな遊びやパフォーマンスも同じ土俵で繰り広げられ、参加者達はそれを思うがままに全力で楽しむ……今年の「ニコニコ超会議」は「ニコニコ動画の世界をリアルに出現させる」というイベントコンセプトを、もっとも色濃く体現して幕張メッセ全体をサブカルチャーの色に染め上げたイベントとなった。来年はいったいどんな祭りが繰り広げられるだろうか?

取材・文:斉藤直樹