将棋の第82期名人戦7番勝負(毎日新聞社、朝日新聞社主催)は8、9の両日、東京都大田区の羽田空港第1ターミナルビルで第3局を行う。前日の7日は防衛を目指す藤井聡太名人(21)と挑戦者の豊島将之九段(34)が現地入りして対局場を検分し、同所での前夜祭に登壇した。

 空港施設での棋戦開催は名人戦に限らず史上初。ターミナルビルの会議室に畳を敷き、上座背後の窓越しからは滑走路に間断なく離着陸する航空機が観賞可能だ。通常のタイトル戦とは異なる「非日常空間」での対局となる。

 シリーズ成績は藤井の2勝0敗。今局で勝てば連覇に王手がかかる藤井は「昨年、名人就位式をこちらで開催していただき、私にとってもなじみ深い場。対局場から駐機場が見えるので、それを楽しみにリフレッシュしつつ、集中して指したいです」とにこやかにあいさつ。初勝利を狙う豊島は「飛行機を見て楽しむ余裕があるかどうかは分かりませんが、楽しむことができればなと思います」とスピーチした。

 対局は8日午前9時に藤井の先手で開始。持ち時間は各9時間で、午後6時30分に指し掛けとなり、9日午前9時から指し継がれる。終局は9日夜の見込み。