女優の伊藤沙莉(30)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「虎に翼」(月〜土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)は10日、第30話が放送された。話題のシーンを振り返る。

 <※以下、ネタバレ有>

 向田邦子賞に輝いたNHKよるドラ「恋せぬふたり」などの吉田恵里香氏がオリジナル脚本を手掛ける朝ドラ通算110作目。日本初の女性弁護士・判事・裁判所所長となった三淵嘉子氏をモデルに、法曹の世界に飛び込む日本初の女性・猪爪寅子(ともこ)の人生を描く。吉田氏は初の朝ドラ脚本。伊藤は2017年度前期「ひよっこ」以来2回目の朝ドラ出演、初主演となる。

 第30話は、猪爪寅子(伊藤沙莉)先輩の久保田聡子(小林涼子)中山千春(安藤輪子)と合格者が3人も出たことにより、廃部寸前だった明律大学女子部は息を吹き返した。初の女性弁護士誕生と新聞が大々的に報じ、大学で祝賀会が開かれることに。口述試験に落ちた山田よね(土居志央梨)は寅子のもとを訪れ「いつか必ず合格してみせる」と約束。そして祝賀会の席上、寅子はスピーチを求められ…という展開。

 記者から「日本で一番優秀なご婦人方だ」「謙虚でいらっしゃる」と言われ、寅子は本音をぶちまけた。

 「昔から私は自信過剰、負けず嫌い、一言多いと言われてきましたが…。この場に私が立っているのは、私が死ぬほど努力を重ねたから。でも、高等試験に合格しただけで、自分が女性の中で一番なんて、口が裂けても言えません。志半ばで諦めた友、そもそも学ぶことができなかった、その選択肢があることすら知らなかったご婦人方がいることを、私は知っているのですから。でも今、合格してからずっとモヤモヤとしていたものの答えが分かりました」

 「私たち凄く怒っているんです。ですよね。法改正がなされても、結局、女は不利なまま。女は弁護士にはなれても、裁判官や検事にはなれない。男性と同じ試験を受けているのにですよ。女ってだけで、できないことばっかり。ま、そもそもがおかしいんですよ。元々の法律が、私たちを虐げているのですから。生い立ちや、信念や、格好で切り捨てられたりしない、男か女かでふるいにかけられない社会になることを、私は心から願います。いや、みんなでしませんか?しましょうよ。私はそんな社会で、何かの一番になりたい。そのために、良き弁護士になるよう、尽力します。困っている方を救い続けます。男女関係なく!」

 会場はしらける。桂場等一郎(松山ケンイチ)は笑いがこみ上げ「失敬」。穂高重親(小林薫)は「素晴らしい演説だ」と拍手。竹中次郎(高橋努)だけが寅子を記事にした。

 SNS上には「寅ちゃん!かっけぇ!」「最高に一言多い。最高かよ」「竹中、いい記事書くやん」「竹中、ありがとう」「思わず拍手した。今の世の中でもなかなか言えないよ、寅ちゃん」「伊藤沙莉の真骨頂」などの声が上がった。

 13日からは第7週「女の心は猫の目?」に入る。