男子ゴルフのISPSハンダ欧州・日本トーナメントは25日、静岡・太平洋クラブ御殿場コース(7262、パー70)で初日を迎えた。濃霧で開始時間が2時間50分遅れとなる中、凱旋(がいせん)試合の中島啓太(23=フリー)が4バーディー、ボギー無しの66で回り、ホールアウトした時点で暫定5位で第1ラウンドを終えた。

 「この試合の大事さが分かっていたので、スタート前は緊張していました。11番でいきなりピンチでしたが、良いパーセーブができたので流れに乗ることができました」

 インの10番から出て、505ヤードの長いパー4の11番で第1打を左林に曲げ、第2打はフェアウエーに出すだけ。第3打が180ヤードも残ったが、そこから7Iで1・5メートルにつける会心のショットでパーでまとめた。

 14番では第1打を右ラフに曲げたものの、切れの良いアイアンショットで1メートルに乗せてバーディーを奪った。17番では8メートルのロングパットを沈めた。18番では1Wでフェアウエーをとらえ、ピン上3メートルに2オン。惜しくも最初のパットがカップをそれ、イーグルはならなかったが、楽々のバーディーで前半を3アンダーで折り返した。

 後半も3番でバーディーを決め4アンダーまで伸ばした。

 今季から欧州ツアーに本格参戦。3月にインドで開催された試合で初優勝を飾り、4月に帰国してからもトレーニングに励み好調をキープしてきた。

 今、大事にしている言葉がある。「目の前の一打にコミットする」だ。メンタルパフォーマンスコーチのニール・スミス氏から授けられたものだ。優勝したインドの試合期間中の夜にLINEで連絡を取り合っている時に「勝つことは重要ではない。目の前の一打に集中して成功を続けることが大事だ」とアドバイスされた。

 その金言をこの日のプレー中も呪文のようにずっと繰り返していた。ミスしても落ち込まず、好プレーを連発しても調子に乗りすぎないようにするための自分への戒めだった。

 今季はパリ五輪出場も目標に掲げており、そのためにも出場している試合で、少しでも良い結果を残しておきたい。

 「週末に良い位置でプレーできるように頑張りたい」と話していた。