合言葉は「パリでも金、やっパリ金」だ!柔道女子48キロ級で、五輪5大会連続メダルのレジェンド谷亮子さん(48)が30日、パリ五輪女子日本代表が合宿を行っている東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンターを訪れ、1時間の講演を行った。08年北京五輪を最後に現役を退いた後、同様の機会が設けられるのは初めて。親子ほど年の離れた後輩たちに、数々の助言や金言、エールを贈った。

 身長は1メートル46でも、そのオーラは圧倒的だった。現役女子エース格の阿部詩(パーク24)が「凄くオーラがある方」と話せば、谷さん以来の48キロ級金メダルを目指す角田夏実(SBC湘南美容クリニック)も「テレビの人」とのけぞった。外部で合宿を行っていた男子日本代表の鈴木桂治監督もわざわざ会場を訪れ、「オーラを感じました」と引き寄せられた様子。合宿には五輪代表以外の強化選手も参加しており、中には記念撮影後に感動して泣き出す選手もいたほどだ。

 五輪で金2、銀2、銅1のほか、世界選手権を7度制し、日本一を決める選抜体重別は14度制覇と他の追従を許さないレジェンド。講演では「20、30通りの戦い方を持って大会に臨む」「今日が五輪だと思う日を設けて朝から過ごす日を設けた」「フランスの選手と対戦する時は、フランスパンを食べた」「表彰台では次の大会のことをイメージした」などと助言やクスッと笑える昔話を披露。質疑応答でアドバイスを求めた阿部も、「私も谷さんを超えるような記録を一つでもつくりたい」と気持ちを新たにした。

 講演を終えた谷さんも「ぜひ、話しを聞きたいと言ってくれたみたいで、私も力になりたいと思っていた。ヒントになることがあれば」と後輩たちとの交流を楽しんだ様子。最後は「最高でも金、最低でも金」「田村で金、谷でも金」「谷で金、ママでも金」と現役時代に発した自身の名言になぞらえ、「パリでも金、やっパリ金」とエール。どんな強敵が現れ、重圧にさらされ、逆境に立たされても、お家芸の代表選手として“やっぱり”金メダルを獲得することを期待した。