大相撲夏場所(12日初日、東京・両国国技館)で所要6場所のスピードで新三役に昇進した小結・大の里(23=二所ノ関部屋)が7日、千葉県松戸市の佐渡ケ嶽部屋へ出向き、大関・琴桜らと19番取って13勝6敗だった。

 大の里はいつもは茨城県阿見町の二所ノ関部屋で調整しており、稽古総見や一門の連合稽古をのぞけば自身初の出稽古となる。2日の稽古総見後に佐渡ケ嶽部屋での稽古を希望。「行きたいです」と師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)に直談判して実現させた。狙いは初、春場所、稽古総見で3戦全敗の琴桜への苦手意識を払拭させること。「自分の中で嫌な感じがあった。一番も勝っていなかったので不安な状況で場所を迎えるのもあれなので」と経緯を明かした。

 大の里は幕内の豪ノ山、勝勝峰との申し合いで7勝4敗。その後琴桜と連続で8番取って6勝2敗だった。大関が体調不良で完調ではなかったとはいえ、十分な体勢から前に出て土俵際でも腰を下ろす盤石な攻めもあった。「出稽古は初めてだったし、せっかく遠いところから来たので無駄にしないようにということを心がけた。稽古なので何とも言えないですけどだいぶいい状態と思う」と好感触だ。

 横綱、大関陣に不安を抱える力士が多いなか、稽古総見などで順調な調整ぶりが目立つ。「いい感じをつかんだので、しっかり仕上げて頑張りたい」と声を弾ませた。