◇明治安田J1リーグ第18節 町田3―1横浜(2024年6月15日 日産スタジアム)

 ピッチ外に吹き荒れる逆風の中で、首位の町田が横浜から3得点を奪い今季初の逆転勝ちを飾った。

 1点を追う前半終了間際、敵陣右サイドで得たFKを起点に主将のDF昌子源が決めて同点。後半12分には米国遠征帰りのU―23日本代表FW藤尾翔太が右クロスを押し込んで勝ち越し、直後にもMF下田北斗が昨季の同僚GKポープ・ウィリアムから直接FKを奪って得点を重ねた。

 町田は12日の天皇杯筑波大戦で骨折2人を含む4人が負傷し、PK戦の末に初戦敗退。黒田監督が相手のプレーと判定を強く批判すると、SNSなどで大きな反発を浴びた。勝利後、黒田監督は「天皇杯ではいろいろあったけど、町田ゼルビアは決して悪ではない。言いたいことは言い、ダメなものはダメと訴える、それを貫くことがサッカー界に必要」と理解を求めた。

 リーグ戦は前節の1日新潟戦で敗戦も、中断期間を挟んで連敗をきっちりと回避。今季喫した4敗の次戦は全て勝利し、あと1試合を残す前半戦首位ターンを射程圏に捉えた。指揮官は「勝つために志向するサッカーを信じ、みんなのベクトルがしっかり合っていることが勝利の要因。だからこそ失点、敗戦から立ち直ることができる。連敗しないことは偶然ではなく必然」と強調した。

 SNSなどでの声に選手は複雑な感情を抱きながらも、試合中はピッチに集中して勝利をつかみ取った。下田は「正解はないというか、いろいろな受け止め方があると思う。きょうはサポーターの方が胸を張って応援できるような試合をしたかった」と語った。