米スポーツ専門局『ESPN』は4月30日(日本時間5月1日)、ドジャース大谷翔平投手の元通訳で銀行詐欺の疑いで訴追された水原一平容疑者を巡り、大谷から盗んだ金がカジノ経由で胴元らの手に渡っていた様子を報じた。

■いったんチップに換えて“洗浄”

『ESPN』は、「ショウヘイ・オオタニから盗まれた数百万ドルがラスベガスのカジノを経由して胴元に流れる」と題して記事を掲載した。

同記事は複数の情報筋に取材。その上で、水原容疑者が大谷の銀行口座から違法業者に送ったとされる50万ドル(約7850万円)について言及した。「違法な胴元に送った一連の50万ドル(約7850万円)はカリフォルニアとラスベガスのカジノに転送され、そのお金はそこでギャンブル口座に入金された。そしてプレーイング・チップに変換され、後に胴元に支払うために現金化された」と伝えた。

情報筋によると、水原容疑者の賭けを請け負っていたマシュー・ボウヤー氏は、ラスベガスのカジノ、リゾート・ワールドの常連客だったという。そこで「ミズハラはまずボウヤーに違法送金。そして、その金は南カリフォルニアのリゾート・ワールドとペチャンガ・リゾート・カジノにあるボウヤーの“賭博用口座”に送金された。そして、ボウヤー氏らは口座に入ったお金をチップに換えて引き出し、それでギャンブルをし、勝てば現金化した」と明かした。

■マネーロンダリングの実態

違法な手段で得たお金をチップに換え、その後ギャンブルで勝ち、“まっさらな金”として受け取る。この流れは、いわゆるマネーロンダリング(資金洗浄)と指摘されても仕方がないもので、捜査当局が調べているとのこと。

ただ、現在公表されている起訴状にはボウヤー氏もその同僚も名前が挙がっておらず、同氏の弁護士もコメントを拒否している模様。

報道が正しければ、大谷の口座から盗まれた金がカジノのチップに変換されていたことになる。真相解明に一歩近づいたのか。再び捜査の行方に注目が集まっている。