カブス今永昇太投手が7日(日本時間8日)、本拠地でのパドレス戦に先発登板。7回0/3を6安打2失点、8奪三振と力投したが、勝敗は付かなかった。球数は今季最多の102球で防御率は1.08となった。試合は9回にマイケル・ブッシュ内野手のサヨナラ本塁打が飛び出し、カブスが3−2で劇的勝利を飾った。

■逆転2ランを浴びて無念の降板

ここまで5勝0敗、6勝目へ向けて今季7度目の先発マウンドに上がった今永。初回は1死から四球を出したものの、後続を抑えて無難なスタート。2回以降は10打者連続で打ち取るなど危なげない投球を披露した。

6回は1死から連続安打を許し、初めて得点圏に走者を背負うピンチ。しかし、ここでギアを上げると、4番マニー・マチャド内野手、5番ザンダー・ボカーツ内野手という強打の主軸を連続空振り三振に切って取り、マウンドで雄叫び。ここも無失点で切り抜けた。

1−0という緊迫した試合展開の中、7回までパドレス打線を圧倒した今永。メジャーで初めて8回のマウンドに上がったが、先頭の代打ルイス・アラエス内野手に右前打を許すと、続くジュリクソン・プロファー外野手にスプリットを捉えられ、逆転2ランを被弾。ここで無念の降板となった。

しかし、この後カブスは打線が奮起。パドレスの4番手、松井裕樹投手を攻略し、8回に2−2の同点に追いつくと、9回にはブッシュのサヨナラ本塁打が飛び出し、劇的な勝利を手にした。

■ピッチングニンジャ「7回で力を出し切った」

今永はこの日、7回0/3を6安打2失点、8奪三振という好内容。球数は今季最多の102球という熱投だったが、6勝目はお預けとなった。

試合後、クレイグ・カウンセル監督は「イマナガは素晴らしい活躍をしている。我々が良いスタートを切れたのも彼のおかげ」と語ったが、8回まで引っ張ったことには疑問の声が噴出。

ピッチングニンジャの愛称で知られるロブ・フリードマン氏も「カウンセル監督は優れた指揮官で、彼の判断は、(7回で代えるべきという)私の判断よりも適切だったと信頼している。ただ、それでも驚いた。当然、7回で彼の役目は終わったものだと思っていた」とつづり、続投という采配に納得いかない様子を見せた。

さらに「もし8回を乗り切っていたら、私は自分の机の上にイマナガの小さな像を作っていただろう」と続け、「ブルペン陣が苦戦しているのは理解しているが、彼は前の回ですべての力を出し尽くしたように見えた。確かにキーボードの前に座り、後からとやかく言うのは簡単だ。おそらく自分だったら彼を交代させたと思うが、交代させたことで失敗していたかもしれない」と記した。

今永自身は8回までマウンドに上がったことについて、「信頼を得たということ」と述べたというが、賛否が渦巻く起用法となった。