宮城県石巻市の万石浦で、今シーズンのアサリ漁が9日、解禁されました。去年の猛暑の影響で、今シーズンは漁獲量の減少が懸念されています。

万石浦では、地元の漁協の組合員などおよそ100人が干潟に腰を下ろし、砂に埋まったアサリを熊手で掘り出しました。

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震災で大きな被害を受けた万石浦では、地盤沈下によって姿を消した干潟を4ヘクタール整備し、生き残った天然のアサリを繁殖させるなどして、2017年から漁を再開しています。

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しかし、今シーズンは、去年の猛暑で死んでしまったアサリが多く、漁獲量の減少が懸念されています。

地元の人:
「(漁は)うれしいですね。年に1回なので。大きさはまあまあだが、ちょっと数が少ない感じ」
県漁協石巻湾支所 齋藤幸一運営委員長:
「数量は少ないが、地元の特産物としておいしく味わってもらえれば」

県漁協石巻湾支所 齋藤幸一運営委員長

味が濃厚と評判の「万石浦あさり」。初入札では、去年より4割ほど少ない535キロが取り引きされ、主体の中型は1キロ当たり800円と例年並みの価格となりました。今月中にあと3回、漁が行なわれる見通しです。

おととし、中国産のアサリを熊本産などと偽った産地偽装問題を受け、国産アサリの取引価格は現在、高騰していますが、万石浦では、市場への出荷よりも自分の家庭で食べる「自家消費」が多いため、入札価格は例年並みとなっています。